歴史ニュースウォーカー

歴史作家の恵美嘉樹が歴史のニュースや本の世界を歩く記録です

平安時代

国宝の仏画はアートとして作られたのではなかった!キリ

滋賀県大津市の三井寺(圓城寺)の秘仏「黄不動像」(国宝)を模写した、これまた国宝の仏画に、下書きのような小さい不動さまが描かれていたことがわかったそうです。 それは本体の下書きというよりも、仏画に魂を入れるといえる儀式のためのもの。 各マス…

古代の東北で元蝦夷たちが泣く泣く刻んだ馬の絵に秘められた歴史

覚えていますか? 今年の6月に、岩手県北上市の八幡遺跡で、900年前後の馬の絵を線で刻んだ土器が出土したというニュース。 9世紀(平安時代)の岩手県で、はじめて馬をかいた土器が見つかる!【画像あり】 - 歴史ニュースウォーカー 恵美嘉樹は、市教…

9世紀(平安時代)の岩手県で、はじめて馬をかいた土器が見つかる!【画像あり】

北上市の八幡遺跡という村落跡から岩手県でははじめて馬を描いた土器がみつかった、このニュースはちょっと前からネットで流れていて、なんどかツイートもしているのですが、ずっと画像がありませんでした。それがようやく出ました。 奈良〜平安時代に東北を…

国宝はチラシの裏のメモだった?!平安時代の猿スタンプを押した理由を推理する

宮内庁が所蔵する平安時代の古文書の裏にナゾの猿顔スタンプが押されていたと、きのう(2013年4月11日)発表されて、さっそく話題となっています。 写真はNHKのHPをキャプチャー 古文書に謎の猿顔スタンプ(NHK) 平安期儀式書に猿顔の印 宮内庁所蔵、謎深ま…

古代のうどん県庁「讃岐国府」を36年目にしてようやく特定。快挙の陰には、うどん県公認の「ミステリーハンター」たちがいた!

=讃岐国府跡から見つかった瓦ぶきの建物跡。作業員は柱穴の横に立っている=香川県坂出市(県埋蔵文化財センター提供) 香川県埋蔵文化財センターがきのう(2013年2月6日)、坂出市府中町で讃岐国府を発見したと発表しました。1976年から36年にわたる…

【犯人はお前だ?】○○寺と書かれた土器が出土した場所がお寺だったとは限らない

歴史ニュースではないので匿名にしますが、ちょっと引っかかる変なニュースがありました。 なんとか私立高校の教師えみよしきさん(仮名)が高校を停職処分の取り消しを求めて訴えました。 この高校では、えみよしきさんの姓のイニシャルの「E」と書かれたボ…

群馬古代史が熱い!なんと、今度は脱いだら(発掘したら)すごい(日本一)の奈良・平安の郡役所だ!えっ?たいしたことない?

子供を抱いて逃げようとして火砕流に巻き込まれた(という説もある)よろいの男の登場で、盛り上がる群馬県では、今度はなんとなんと律令時代の郡役所です! まぁ、普通ですね。さすがに上毛新聞も号外をだしはしませんな。 よろい男の金井東裏遺跡の現説は…

「最古のひらがな」にあらず!?

京都市埋蔵文化財研究所が11月28日に、京都市中京区の右大臣藤原良相(よしみ、813〜867年)の邸宅跡(仏教大学二条キャンパス建設予定地)で、「日本最古級のひらがな」が発掘されたと発表したのは、記憶に新しいところです。 関連記事 DQNと呼ばれた俺た…

最古のひらがなを読んでみよう!

ひとにくしとお□はれ(人憎しと思われ)日本最古が「憎い!」とはちょっと微妙ですが。。。きのう大々的に発表された「最古級のひらがな」というのは、 平仮名と、草書体が崩れた過渡期の「草仮名」が混在しています。(写真ではぴんくが平仮名、水色が草仮…

DQNと呼ばれた俺たちが「怒羅慧門」をやめて「ドラえもん」と書くようになった15の夜。最古級の「ひらがな」が大量に見つかる

京都の平安京跡(佛教大のキャンパス建設地)から、9世紀(平安時代前期)で最古級となるひらがなが大量に書かれた土器が発見されました。京都市埋蔵文化財研究所が28日に発表し、各紙が報じています 読める内容としては、 <ひとにくしとお□はれ(人憎し…

清盛、ダークサイドに墜ちる。NHK大河は実はスターウオーズエピソード12Cだった!【スターウオーズエピソード4の動画】

どうやら、大河ドラマでは、平清盛がダークサイドに墜ち、ダースベーダーに変身したようです。♥ photo:Star Wars play in the morning light by Kalexanderson↑ダースベーダー化した清盛さん(左)に抱きかかえられる安徳天皇(右)(イメージ)↓大河の時代…

日本史上最大の土建国家が古代にしかできなかったたった一つの理由

昔、内戦が終わったカンボジアで日本が道路を造るお手伝いをするということがありました。 アスファルトを敷くだけの材料はないので、基本的に土で盛るだけ。 しかし、数か月後にくると、雨でほとんどが崩れてしまっている。道路とは、作ることより維持しつ…

九州・大宰府近くで、高貴な人のお墓と輸入ブランド品みつかる。

ベトナム製の青磁ですか。しかも、完成品。売ったらいくらになるだろう・・・。 唐に留学したら、あまりに優秀なので唐の皇帝に引き留められた阿倍仲麻呂さん(698〜770)を思い出しますね。日本にようやく帰る許可がでたとおもったら、乗った船が難破して、ベ…

平安時代も平成時代も公務員は意外と大変なのです

バブル崩壊後に困窮した地方公務員が武力闘争にはしったのが平将門の乱としてとして、現代の公務員の武装蜂起を促した(ウソ)「目覚めよ公務員!」と題したエントリーを書いたのは、衆院選が迫っているように見えた(麻生首相のときですね)4年前の9月の…

「富士山」と書きたかった?富士市で「冨」の文字出土

奈良・平安時代には、土器に字を墨で書くことがよくあります。 たいてい一文字だけなので、文章ではありませんので、所属(この器は 誰のもの)や用途(この器はどんなときに使う)を示しているマークだと思われます。 墨書土器(ぼくしょどき)といいます。…

 平泉の中心で掘について叫ぶ

平泉の中心、柳之御所遺跡の現地説明会で、2本分の掘が紹介されました。 柳之御所は、政庁「平泉の館」とされています。いわば平泉の都庁ビル。 柳之御所遺跡は、北上川に向かって突き出した台地の上に作られているのですが、ここをぐるりと掘がめぐってい…

武士は小さかった。だがそれはビッグバンの前触れ

連載中の雑誌「ひととき」での取材に向けて、平安時代の後半について取材していますが、この時代は面白いですね。古代なのか、中世なのかグレーなゾーンである。 日記など史料が格段に多く残っている一方で、定説(常識)を作っている源氏物語をはじめとする…

中世を作ったのは中央の貴族か、それとも地方か

原稿が今月ようやく終わり、半年で2冊分を書き上げました! というわけで、ブログも再開したいと思います。でもいきなりがんばると続かないので、ちょっとずつ・・・。なのにいきなりハードな本です。中世の系譜―東と西、北と南の世界 (考古学と中世史研究)…

学術論文が漫画になった

やられました。かないません。わたしたち、恵美と嘉樹のコンセプトは、「最新の研究成果をわかりやすく社会に還元すること」。 このブログも、最新の研究成果を伝える一つの方法として、日々更新しているわけです。その究極の手法が漫画だろうな。しかし、わ…

もしも貴族が欲望丸出しだったら、、、

殴り合う貴族たち (角川ソフィア文庫)作者: 繁田信一出版社/メーカー: 角川学芸出版発売日: 2008/11/25メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 17回この商品を含むブログ (20件) を見る平安時代の貴族が「実は、、、」といった一連の著作を出している繁田信一さ…

男と男の煩悩史

破戒と男色の仏教史 (平凡社新書)作者: 松尾剛次出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2008/11/15メディア: 新書購入: 2人 クリック: 36回この商品を含むブログ (21件) を見る奥さんがいて、子供もいる。飲酒もOK、肉も魚も大好き!現代のお坊さんは、多かれ少…

お金の歴史をたどって未来を予想?

金貸しの日本史 (新潮新書)作者: 水上宏明出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2004/12/16メディア: 新書 クリック: 1回この商品を含むブログ (5件) を見る唐突ですが、お金は大事です。だから、お金の歴史を読み解くことも大切にちがいありません。 そのため、…

毎日出版文化賞に東野治之『遣唐使』

第62回毎日出版文化賞が2008年11月4日発表され、歴史書では、「人文・社会」部門で、東野治之(奈良大教授・古代史)の『遣唐使』(岩波新書)が選ばれました。恵美嘉樹の片割れも昨年、発売されたときから「これは面白い」と話していましたので、…

21世紀に明らかになった21+@の日本古代史の秘密!

恵美嘉樹の最新作『図説 最新日本古代史』が2008年10月28日、学習研究社(学研)から出版されました。ここでは本書のエッセンスをお伝えします。知っているようで知らない、難しそうでいてじつは簡単、歴史教科書では味わえない古代史の魅力をぎゅっ…

目覚めよ公務員!

近づいてきたらしい衆院選での争点は、どうやら公務員とくに国家公務員をいかに批判するか、のようです。いわゆる官僚制が日本で登場したのは、飛鳥・奈良時代といっていいのでしょう。別名、律令時代と言われる時代ですが、律令とは法律のことですから、法…

古代史を学ぶ意味とは何でしょう?

日本の原像 (全集 日本の歴史 2)作者: 平川南出版社/メーカー: 小学館発売日: 2008/01/26メディア: ハードカバー クリック: 9回この商品を含むブログ (16件) を見る今回は、現在刊行中の日本の通史シリーズの1冊をご紹介します。 著者は平川南(ひらかわみ…