歴史ニュースウォーカー

歴史作家の恵美嘉樹が歴史のニュースや本の世界を歩く記録です

2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

芦辺拓『ダブルミステリ 月琴亭の殺人 ノンシリアル・キラー』(東京創元社)のネタばれ分析

面白かった。表から読むストーリーは古典的な密室殺人事件。裏から読むストーリーはブログの形式。 ほとんどかみ合わない2つのストーリーが、袋とじの「解決編」で結びつく。 本格派推理を読み終えたあとに訪れる、映画のエンドロールを見たときの余韻にひ…

メモ藤原定家明月記でオーロラ観測と国立極地研究所など

平安時代って、日本でオーロラは見えるは、海面上昇するは、地震も多発するは、天変地異的にはすごい時期だったんですね。 武士の時代になるのもさもなんという気がします。 以下、毎日新聞の報道です。 平安・鎌倉時代の歌人、藤原定家(1162~1241…

山形庄内砂丘で見つかった30メートル超の平安時代の巨大津波か

NHKニュースで報じていた「平安時代に起きた巨大津波の痕跡か 山形庄内平野」というニュースに引き込まれました。 www3.nhk.or.jp 箇条書きにまとめると ・山形県に高さ30メートルを越える未知の地震津波が起きていた ・西暦1000年代から1100年代…

美濃のマムシ斎藤道三の「国盗り物語二代記」

美濃の蝮・斎藤道三といえば、戦国時代の群雄割拠、下克上の象徴的な存在です。 司馬遼太郎の「国盗り物語」で、近江の油売りから一気に美濃一国の戦国大名にまでのし上がった栄達が描かれましたが、実は(同じような一代による国盗りとされる)北条早雲と同…

3月19日歴史本書評まとめ 武田勝頼はなぜ英雄になれなかったのか

フェイクニュースの時代だと実感させられる日々ですね。 フェイクニュースは海外のことと思っていたら、森友学園問題や築地市場のほうが大汚染されていた問題などで、教育者や知事など社会のリーダーと思われていた人がそのときそのときの情緒で、思い付きを…

3・11の翌日の新聞書評面と歴史本

6回目の「3・11」。これまでは11日に近い日曜日の書評欄も震災にまつわる本の紹介が多かったように感じていたが、今年は全国紙3紙では、宮城・気仙沼の養殖業でコラムニストの畠山重篤さんによる「空想書店」を特集した読売新聞以外、ほとんど震災関…

飛鳥で未知の最大級の方墳小山田古墳が発見されたことから謎の亀石の存在意義を考えてみた

飛鳥で石舞台古墳(50メートル)よりも大きな一辺70メートルの方墳(もしくは上は円墳になっている上円下方墳)が見つかりました。2017年3月1日に奈良県立橿原考古学研究所が発表しました。古墳の名前は小山田古墳と名付けられました。 これだけ大…