歴史ニュースウォーカー

歴史作家の恵美嘉樹が歴史のニュースや本の世界を歩く記録です

3月19日歴史本書評まとめ 武田勝頼はなぜ英雄になれなかったのか

フェイクニュースの時代だと実感させられる日々ですね。

フェイクニュースは海外のことと思っていたら、森友学園問題や築地市場のほうが大汚染されていた問題などで、教育者や知事など社会のリーダーと思われていた人がそのときそのときの情緒で、思い付きをポンポンと言って、それがそれなりに(本当であろうと、ウソであろうと)実際の社会や行政を動かしていくという現象を目の当たりにして、驚きおののくばかりです。

森本問題では、来週の証人喚問じたいも、あのキャラからしてとんでもなく盛り上がるライブになることでしょう。同じ日に、もしも進出したらWBCもあるので、酒場の話題には事欠かなそうです。

さて、世間では思ったよりも話題になっていないのが、村上春樹の『騎士団長殺し』ではないでしょうか。
これだけ、リアルな世界が面白い事噴出していれば、フィクションの世界にひたる必要もないってことですかね。

3月19日の読売新聞の書評では2人の方が書評していますが、「不思議だ」「やっぱり面白い」などの評でのありきたりな表現を見ると、タイトル通りたんなる軽い読み物なのかなという印象です。

歴史本では、2冊が書評されています。

750ページの厚さで、いま私も読んでいますが、その厚さに圧倒される
平山優『武田氏滅亡』(角川選書)

 

 

武田氏滅亡 (角川選書)

武田氏滅亡 (角川選書)

 

 

まだ読み切っていませんが、信長に滅ぼされたために、父の信玄に比べると愚将と評価される武田勝頼のイメージを排して、その実像を描こうというもののようです。

いずれわたしも書評を書く予定です。

もう1冊は、イタリア統一の英雄、ガリバルディについて
藤澤房俊『ガリバルディ』(中公新書)

 

ガリバルディ - イタリア建国の英雄 (中公新書)

ガリバルディ - イタリア建国の英雄 (中公新書)

 

 

「明治維新の直前に赤シャツを着てイタリア統一に導いた自由と平等の申し子であり、世紀の英雄である」(評者の出口治明氏)

戦後のゲバラのようにイタリアのみならず世界中で戦った名司令官の一生を追います。
こういう人は往々にして政治には長けてないようですが、どうやらそのようで、女性問題を起こしたりと、おもしろい人生だったようです。

武田勝頼は、信玄よりも版図を拡大しており、名将といえる部分もありました。
もう少しで英雄となれた人物です。
ガリバルディとの違いはどこにあったのでしょうね。
勝頼は、むしろ信玄が同盟国であった信長を一方的に裏切ったのが始まりですから、英雄の父親のしりぬぐいをさせられたというかわいそうな面もありそうです。

 

1/144 Zゼータガンダム ガルバルディβ

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