歴史ニュースウォーカー

歴史作家の恵美嘉樹が歴史のニュースや本の世界を歩く記録です

【考古学クイズ】なぞ過ぎる古墳時代の岡山「吉備王国」。不思議な文様の意味はなんでしょうか【千足古墳】

 文字を使う前の人間は、なにかを「書く」ことにどんな意味を持っていたのでしょうか。
 想像するのは簡単ですが、本当の意味をさぐるのはなかなか難しいことです。

 日本も古墳時代までは、基本的には「文字」がありませんでした。

 そうした中で、土器やお墓の壁になにかの線を描くことはけっこう盛んに行われました。
 吉備王国の別名をもつ岡山では、直弧文(ちょっこもん)と呼ばれるデザインがよく使われました。

 これは○との組み合わせが基本です。

 現代の日本では○は「よいこと」は「悪いこと」と考えますが、は今でも東南アジアやトルコなど各地で「○」の意味だったりします。
 例えば、選挙のときに「いいと思う人を選んで」というときに、その人の名前のところに「」と書くわけです。

 現代でも地域かわれば意味かわる、なので、1000年以上前の人の考えなど、ピンポイントではわからないでしょう。

でも、それを知ろうとするのが認知考古学という手法です。
この認知考古学の日本での第一人者が、岡山にいるというも奇遇ですね。
記事にもでてくる松木武彦教授です。


 記事では、邪気を払うためと「決定」していますが、もちろん誰も確定できるものではないです。


 恵美嘉樹の説は……。
 お墓にまつわることが多いので、今回は埴輪にあった模様ということで、やっぱりなにかを封印するのでしょうか。魂が復活しないようにが普通なのかな?

 でもそれじゃ当たり前でつまらない。

 死者のための六文銭みたいな意味とか。そのマークが天国では「マネー」として換金できて幸せになるなんてどうでしょう。

山陽新聞2013年1月10日

 呪術的な古代文様・直弧文(ちょっこもん)の精美な石室装飾(石障)が破損した岡山市北区新庄下、千(せん)足(ぞく)古墳(国史跡、5世紀前半)の発掘調査で、新たに直弧文が刻まれた埴輪(はにわ)片が9日までに出土。石室内だけでなく、墳丘上も邪気を払う文様で守られていたことが分かった。

 発掘調査は、同市教委が墳丘の規模や形状を確認するために昨年11月から実施。直弧文のある埴輪片は、前方部西側の試掘溝で、墳丘上から転落したとみられる多数の埴輪に交じって見つかった。

 同埴輪片(縦16センチ、横11センチ)は、矢を収める道具をかたどった「靱(ゆき)形埴輪」の一部。同古墳など6基を従える盟主墳・造山(つくりやま)古墳(同所)で採集されているほか、近畿地方の大型古墳を中心に出土例が知られる。

 古墳文化に詳しい松木武彦岡山大教授(考古学)は「靱形埴輪の存在から、古墳としての格の高さと畿内色が強くうかがえる。石室構造など北部九州の影響も濃く、当時の吉備の多様な交流関係を示す成果だ」と評価している。
(略)

 現説は26日午後1時半からだそうです。



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