第一部壁の中編の完結!進撃の巨人22巻ネタバレあらすじ
進撃の巨人22巻(2017年4月7日発売)は、1巻から始まった「壁の中」編つまり事実上の第一部の最終巻となります。
87話から90話まで収録されており、90話のタイトルは「壁の向こう側へ」です。
21巻の後半から始まった謎ときの続きとなり、重要なネタバレが満載ですので、知りたくない人は読むのをストップして本編をお読みください。
エレンの父グリシャ・イエーガーが残した3冊の本には世界の真実が書かれていました。
中世的な(唯一立体機動だけが現代をも越える技術ですが)世界で、人類はすべて壁の中にしかおらず、壁の外の人はみな巨人に食われて絶滅したと思われていました。
しかし、これは100年前に、記憶を操作できる「始祖の巨人」を持つフリッツ王が、歴史を改ざんしたものでした。
戦うことを放棄して滅びるのを待つというのは、理解しがたいかもしれませんが、察しの通り、戦後日本の「平和憲法」や「核の抑止力」を暗示しているのでしょう。
グリシャは、大陸にのこった唯一の生き残りダイナと結婚し、ジークが生まれます。
グリシャとダイナは、ジークを二重スパイとしてマーレの戦士の養成機関に送り出しますが、ジークは、自分のことよりもエルディア復興ばかり言い、愛を感じさせずに思想を押し付ける両親をマーレに密告しました。
この密告で、エルディア復興派という反政府地下組織は摘発され、メンバーは全員、楽園へ送られることになります。
グリシャは、船でパラディ島へ運ばれます。
まわりには仲間たちも並んでいます。
グリシャを「巨人化による終身刑」に処する担当者は、幼いころに妹が殺された時にいたマーレの治安当局の2人のうちの1人でした。
さらには、妹を殺したもう一人の当局の男もいます。
メンバーのなかまたちは首のうしろに巨人の髄液を打たれることで、次々に巨人になります。
そしてダイナもあらわれます。
ショックを受けるグリシャ。なぜなら、ダイナの巨人化だけは避けようとグリシャは尋問で、彼女が王家の生き残りだと告白していたからです。
「なぜ ここに 伝わってないのか
俺は洗いざらい全部話したぞ
お前らマーレにとっても彼女は重要なはずだ
彼女は王家の血をー」
なでいったところで、治安当局の男(クルーガー)に押さえつけられます。
(俺はこいつの部下に言ったぞ まさかこいつが揉み消したのか?)
ダイナは巨人にさせられます。
最後に
「グリシャ 私はどんな姿になってもあなたを探し出すから」
といって巨人になりました。
ダイナの巨人は、エレンの母を食べたあの女型の巨人でした。
ここで、エレンが独房のなかで目覚めます。
エレンは父のグリシャと記憶が合体していたのです。
リヴァイへ反抗したことでエレンとミカサは懲罰房に入れられていました。
再びグリシャの記憶にシーンは戻ります。
最後の一人となったグリシャ。
妹を殺した男に「15年前 俺の8歳の妹を犬に食わせたのはお前だろ」と問い詰めますが、男は「ひとが化物に食われうのが面白いんだよ」と言い、グリシャは巨人にせずに、巨人たちに食わせるために突き落とそうとします。
その瞬間、突き落とされたのは、グリシャではなくこの男グロス曹長でした。
突き落としたのは治安当局のもう一人の男クルーガーです。
男は巨人に食われます。
クルーガーは言います。
「どうだ?これが面白いと思うか
俺がフクロウだ」
と、自分が内部工作員であることを明かし、
「覚えておけよ グリシャ
巨人の力はこうやって使う」
といって、ナイフで手のひらをきると、エレンと同じ巨人に変化して、マーレの船や残りの治安当局者たちをすべて破壊、殺し尽くします。
この場所には、グリシャとクルーガーの2人だけ。
クルーガーはなのります。
「俺はエレン・クルーガー
9つの巨人の一つをこのみに宿している
つまりはお前と同じユミルの民だ」
医者に協力者をつくり血液検査をくぐりぬけマーレ人として侵入していたのです。
「何千人ものユミルの民の指を切り落とした
何千人もここで巨人にしてきた 女も子供もだ
すべてはエルディアのためだったと信じている
時間がない
グリシャ お前に最後の任務を託す
これから壁内に潜入し 始祖の巨人を奪還しろ
俺から巨人を継承しその力を使ってな
」
クルーガーはグリシャを巨人化して、自分は食われるというのだ。
ここで巨人の秘密があかされる。
「9つの巨人」を継承したものは13年で死ぬ
ということだった。
13年は始祖ユミルが力に目覚めてから死ぬまでの時間に相当する年月で、始祖ユミルを越える力は持てないというのがその理屈だ。
これでグリシャが巨人が襲来した際に自分で戦うのではなく、エレンに託した理由も判明した。すでに13年が近づいていたのだ。
逆算すると、5年前に巨人を父から継承したエレンは残り8年の人生となる。
クルーガーの説明は続く。
食われないまま13年がたつと、それ以降に誕生するユミルの民の赤子に突如として継承される。距離や血縁とは無関係に。
これはユミルの民がすべての道でつながっていることを意味する。
巨人を形成する血や骨はその道を通り送られる。
ときには記憶や誰かの意志もその道をとおるために、時空をこえて、記憶がよみがえることもある。
すべての巨人、すべてのエミルの民はすべて一つの座標でまじわっている。
それが「始祖の巨人」だ。
ライナーたちが、「座標」をエレンにおさえられたら大変なことになると言っていたのは、エレンが(というか父のグリシャが)真の王を食べたために「始祖の巨人」も持っているからだ。
クルーガーがダイナを見捨てたことの理由は、マーレにダイナが王家とわかると、王家のものしか、始祖の巨人をちゃんとコントロールできないために、ダイナを死ぬまで、大量に子供を産ませるためだけの「巨人生産機械」とされることを心配したからだった。
クルーガーは最後の情報を伝える。
クルーガーの持つ9つの巨人の一つの名前だ。
「その巨人はいついかなる時代においても自由を求めて進みつづけた
自由のために戦った
名は
進撃の巨人
」
ここで、シーンはエレンたちに戻る。
エレンとミカサは牢屋から解放され、女王に謁見することになる。
女王のヒストリアは、部屋でライナーからたくされた親友ユミルの手紙を読んでいた。
ユミルは60年以上前に、孤児だったころに「ユミル」の名前を与えられ新興宗教のみこしとして使われていたが、マーレ当局につかまり、楽園送りにさせられた元巨人だった。
60年悪夢を見ていた状況で巨人をしていたが、パラディ島に侵入したライナー、ベルトルトそしてもう一人の巨人の持ち主を襲い、その一人を食べたために、9つの巨人を継承して、人間に戻ったのだった。
女王ヒストリアや兵団、革命軍政は、グリシャの持っていた情報を会議にかける。
「始祖の巨人」がその真価を発揮する条件は王家の血を引くものがその力を宿すこと
しかし王家の血を引くものが「始祖の巨人」を宿しても145代の王の思想に捕われ
残される選択は自死の道のみとなる
おそらくそれが「不戦の誓い」
とハンジは説明します。
壁の中のエルディア人たちがマーレの侵攻を防ぐためには始祖の巨人の力を使うことが一番はやいがそれはシステムとして抑止されている状況だった。始祖の巨人は抑止力でしかないということなのだ。
しかし、過去にエレンは「無垢の巨人」を操り窮地を逃れたことがある。
王家の血を引かないエレンでも理由はわからないが始祖の巨人の力を使える可能性があるとハンジは言う。
エレンはその時のことを思い出す。
あのときは、母を食べた女の巨人を殴ったあとだったことを。
女の巨人は、ダイナ。つまり王家の血を引く者だったではないか!
しかし、ダイナだった巨人はほかの巨人にくわれてすでに存在しません。
エレンが「始祖の巨人」を扱う条件に、巨人となった王家のものと接触するということだとしたら、ヒストリア女王を巨人にする必要があることになります。エレンはこの考えを自分だけの心にしまい込みます。
会議でヒストリア女王は、こうした真実を全国民に公開することを決めました。
100年前に奪われた記憶と歴史を100年後にエルディア人に返したのです。
その後、勲章の授与式で、エレンは女王ヒストリアの腕にキスをして接触しました。
その瞬間、父のグリシャと前代の「始祖の巨人」の器だったヒストリアの姉が、対峙する場面が記憶として流れ来ました。
グリシャ「私は壁の外から来たエルディア人 あなた方と同じユミルの民です。
壁の王よ!
今すぐ壁に攻めて来た巨人を殺してください!
妻や子供たちが!
壁の民が食われてしまう前に!」
グリシャの言葉を聞いた姉は一度目をつぶると、決意を秘めた光とともに目をあけます。
この後、グリシャの「進撃の巨人」と壁の王の「始祖の巨人」が戦うのですが、始祖の巨人が敗北しました。
壁の王の父は、無敵のはずの始祖の巨人が負けたのは、彼女が経験不足だったからと理由を説明していましたが、どうやら彼女は壁の民を救うために、不戦の誓いをはずす最後の手段として、王家から始祖の巨人を別のユミルの民に渡すためにわざと負けたように見えました(これは私の感想なので、いずれ明らかにされることでしょう)
1年後、ウォール・マリア内の巨人はすべて掃討され、シガンシナ区への入植が始まりました。
壁が突破されてから6年が経過しています。(エレンの命は残り7年)
調査兵団はウォール・マリアのさらに外に出て、「海」を目指して調査にでかけます。
巨人たちは人間を求めて集結する習性があるので、ほとんどがウォール・マリア内に集まっていたために、島内に巨人はほぼ全滅したのです。
兵団たちははじめて海を見ます。
この島の果てについたのです。
巨人もすべていなくなり、人類は勝利しました。
しかし、真実の歴史を知った今、それは本当の勝利ではありませんでした。
エレンは言います。
「壁の向こうには海があって
海の向こうには自由がある
ずっとそう信じてた
でも違った
海の向こうにいるのは敵だ
何もかも親父の記憶で見たものと同じなんだ
なぁ?
向こうにいる敵
全部殺せば オレ達
自由になれるのか?」
この世に真の自由は存在するのか?
重い命題を突きつけられて、この壮大な物語の第一部ともいうべき壁の中編は幕をおろします。
23巻からは時間が数年経過し、さらに場所はパラディ島ではなくマーレの大陸に移ります。
続きは↓
進撃の巨人23巻ネタバレあらすじ ライナーが主役?!の新章がはじまる - 歴史ニュースウォーカー
吉田松陰の形見と前橋市が認定した短刀に真贋論争
色々な禍根を残した2015年のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」。
とりわけヒロインと結婚する楫取素彦(かとりもとひこ)は維新後に群馬県令となり、県庁を高崎から前橋へ移したことで、高崎市民から「悪」の象徴とされている。
逆に前橋市民にとっては恩人といえる。
その前橋市が今年(2017年)3月28日に、松陰の形見の短刀が本物と判明したと発表し、3月31日から5月7日まで前橋文学館で公開されている。
この短刀は、松陰の妹の寿(ヒロインの姉で、素彦の最初の妻)が持っていたもので、群馬出身の実業家・新井領一郎が1867年に渡米する際に渡されたもの。
アメリカカリフォルニア州在住の新井の曽孫の家に残っていた短刀で、それが昨年、前橋市に寄託されたとのこと。
この短刀は偽物ではないかとの疑惑が持ち上がっていると、2017年4月17日(月)発売の週刊ポストで報じられている。
同誌によると、形見の短刀の存在を示すのは、新井の孫である故ハル・松方・ライシャワー(元駐日米国大使夫人)が1986年に英語で出版した『絹と武士』(日本語は87年に広中和歌子訳で出版)にて、
この短刀について、
1)国富という銘が入っている
2)長さおよそ35センチ
3)さやは金細工が施された漆塗り
と書かれている。
ところが、今回の短刀は
1)国益という銘が入っている
2)長さおよそ42センチ(刀身だけだと31センチ)
3)*さやについては、雑誌の写真がモノクロでよくわからない
と、だいぶ異なる形状をしていた。
また、同誌の取材に萩市の萩博物館学芸員の道迫真吾氏が衝撃的な証言をしている。
・最初に曽孫にコンタクトをしたのは道迫氏
・短刀の写真を見たが史料と異なる点が多く本物と判断できなかった
・萩市が本物として展示する予定はない
と、否定的なコメントをしている。
では、前橋側はどうかというと、同誌の取材に対して
近現代史研究者で市参事の手島仁氏が答えている。
・出所がはっきりしている
・総合的に本物と判断した
・ハル氏の記憶が間違っている
・長さは目分量だから35センチくらいの範囲内におさまる
同誌は、「昨年8月には短刀を手渡す場面を再現した銅像が前橋公園に設置された。その経緯を考えても、結論ありきの調査という印象は拭えない」とする。
この記事だけを読むと、捏造の疑惑が濃厚だが、週刊ポストがコメントを歪曲している可能性もある。
とくに萩市側がこの短刀を「本物とは言えない」と、どこまで考えているのかが鍵を握りそうだ。
中世から近代へ壁の外の衝撃の歴史が明らかにされた進撃の巨人21巻ネタバレあらすじ
進撃の巨人21巻は、前巻にて調査兵団に大きな犠牲を出しながら起死回生の大逆転を果たしました。
21巻は83話から86話まで収録しています。
この巻はこれまでの世界観を一変する、世界の秘密が明かされます。
それだけにネタバレ度はハンパないので、知りたくない人は読まないようにしてください。
アルミンの策により、超大型巨人を倒し、中からベルトルトを引きずり出したエレン。
アルミンは焼け焦げた状態で屋根に転がっています。
そこに、壁の外でリヴァイ兵長に敗北した獣の巨人の中の人ジークと、彼を救ったもう一人の知恵のある四足歩行の巨人があらわれます。
エレンとジーク。父親を同じくする、異母兄弟のはじめての対面となります。
ジークは言います。
「信じて欲しい 俺はお前の理解者だ
お前は父親に洗脳されている
エレン いつかお前を救い出してやるからな」
この言葉(洗脳された)の意味は次の22巻で明らかになります。
ジークを追ってきたリヴァイを見て、2人の巨人は逃げ出します。
一方、鎧の巨人を倒して、中の人ライナーを取り出したミカサやハンジたちは、ライナーが持っていた「手紙」を入手します。
ユミルからクリスタ(現・女王)への手紙だといいます。
それを受け取ったハンジは、ライナーの首を切りおとして殺そうとします。
しかし、ジャンがそれを止めます。
「注射をすることでだれかが助かるのではないか」と。
これはもっともなことです。超大型巨人を倒したことはわかっていますが、もしかしたらベルトルトはすでに死んでしまっているかもしれないからです。(死んだら食べても知恵のある巨人は継承できない)
ハンジは、ミカサをエレンたちのところへ向かわせます。もしも、ライナーを食べる必要がないとわかったら信号弾を撃つように命じて、その信号と同時にライナーの首をおとすと。
ミカサがエレンのところにいくと、死んだと思われていたアルミンがかろうじて息を吹きかえしていました。
エレンは、リヴァイに注射をアルミンに打つように急かしています。
ミカサは信号弾を打つものの、その瞬間、四足歩行の巨人がライナーを奪い去ります。
リヴァイがアルミンに注射を打とうとしたとき、ここにまた新兵唯一の生き残りが瀕死の重体となったエルヴィン隊長を連れてきたのです。
リヴァイは言います。
「この注射はエルヴィンに打つ」
この言葉にエレンとミカサは反発し、あろうことかミカサは刀を抜いてリヴァイを襲います。
「人類を救うのは俺でも団長でもないアルミンだ」
生き残った新兵は、当然、団長を生き返らせるように主張します。
しかし、その説明は尊敬できる団長だからではありません。
当初、生きている団長をみて、自分たちを犠牲にしたことに対してトドメを刺そうとしたと告白し、しかし、
「でも、それじゃあ生ぬるいと思った。この人にはまだ地獄が必要なんじゃないかって
巨人を滅ぼせるのは悪魔だ
悪魔をふたたび蘇らせる
それが俺の使命だったんだ」
そこへハンジたちもやってきて、ミカサをリヴァイから引き離します。
「私にも生き返らせたい人がいる 何百人も」
ここで、副長(MOBキャラらしく、モブなんとかさん)が犠牲となって超大型巨人の爆発からハンジを守ったことが明かされます
この言葉にミカサは力落としあきらめます。
しかし、エレンは最後までリヴァイの足にすがりつきます。
リヴァイは「全員ここから離れろ ここで確実にベルトルトをエルヴィンに食わせる」とわざわざ<選択>を口に出します。
リヴァイがエルヴィンの左腕に注射を刺そうとした瞬間、ほとんど意識を失っていたエルヴィンが振りほどくかのように腕をあげて
「先生 (壁の外に人類が)いないって (どう)やって調べたんですか」と子供のころの思い出のセリフを放ちます。
リヴァイの頭に、前巻でエルヴィンに対して「夢をあきらめて死んでくれ」と言ったときに、「ありがとうリヴァイ」と言ったエルヴィンの心からの笑顔が浮かびました。
そして、注射をしたのは、エルヴィンでなく、アルミンだったのです。
巨人化したアルミンがベルトルトを食べます。
当然ながら新兵はリヴァイを問いただします。
リヴァイはうなだれて答えます。
「こいつを許してやってくれないか
こいつは悪魔になるしかなかった
それを望んだのは俺たちだ
その上 一度は地獄から解放されたこいつを
再び地獄へ呼び戻そうとした
だが、もう休ませてやらねぇと」
リヴァイは最後に私的な感情で、エルヴィンの魂を解放したのです。
そして、蘇ったアルミンが壁の上で眠りから覚めます。
となりには重体でうなっているサシャがいます。
事情をしったアルミンは驚愕します。
「僕が、エルヴィン団長の代わりをですか」
リヴァイは答えます。
「勘違いするな お前じゃエルヴィンの代わりにはなれねえ
いいか 誰も後悔させるな それがお前の使命だ」
いよいよ、エレンの家の地下室の秘密が明らかになります。
エレン、ミカサ、リヴァイ、ハンジの4人は地下室で、エレンの父グリシャが隠した3冊の本を発見します。
本には、この世界にはないはずの高度な技術「写真」がありました。
写真の裏にはグリシャのメモがありました。
「これは絵ではない
写真という。
私は人類が優雅に暮らす壁の外から来た
人類は滅んでなどない」
とうとう、最大の秘密が「科学」によって生み出された写真によって証明されたのです。
わたしも含めた読者も、中世と思っていた世界に、突如現れた近代の技術によって、頭を大きく揺すぶられたでしょう。
こうして、100人以上いた調査兵団は、団長ら多くを失いながら、9人で生還しました。
とうとう、人類は巨人に勝ち、5年前に奪われた人類の土地の3分の1にあたるウォール・マリアという広大な土地を奪還したのです。
歴史の真実というパンドラの箱の中身とともに。。。
そして、グリシャが書き記した壁の外の世界が描かれます。
グリシャが少年だった頃。そこは、第二次世界大戦のドイツのような都会の町並みが広がっています。
空には飛行船が飛んでいます。
少年のグリシャは幼い妹のフェイと、飛行船を追いかけて検問を抜けます。
2人は、ダビデの星(ユダヤ人を示す)に似た☆型の腕章をしています。
腕章をした人たちは壁のなかに閉じ込められているようです。
そうです、ヒトラーのドイツ時代に、ユダヤ人を閉じ込めたゲットーに似た状況が描かれているのです。
壁の外の一般人は姉妹の腕章をみて「悪魔の血か」とつぶやきます。それを聞いて2人は怯えますが、グリシャはさらに進み、土手のむこうで飛行船が停泊しているのを見つけました。
ところが土手には、治安部隊の制服をきた男2人がいました。
男は言います。「レベリオ収容区のものだな。外出許可書を見せろ」
しかし、グリシャはもちろん持っていません。
「無許可で市内にはいったんだな。労働か制裁か」と男はグリシャにいい、
グリシャは「制裁を 妹の分も僕に制裁をください」
男はわかったといって、グリシャに思いきり膝蹴りにします。さらにもう一発。
それを見ていたもう一人の治安部隊の男が「まったく容赦ねぇな、クルーガ ほらお嬢さんは先に帰ろうね」といって、妹を連れて行きます。
クルーガーは倒れたグリシャに「腕章を外さなかったことは賢い たとえガキでも外で腕章を外したエルディア人は『楽園送り』だからな」
と言います。
グリシャが家に帰ると、妹はいませんでした。
翌日、川で発見されました。野犬に食われた状態で死んでいたのです。
妹の死をグリシャの家に報告にきたのは、この「マーレ治安当局」2人でした。
妹を送ったという男は、リベリオ収容区の手前まで送ったが忙しかったからその後は知らないといい、「そもそもエルディア人が無許可で外にでるのが悪い」といいます。
母は泣き、父は愛想笑いをしながら「ご指導いただきありがとうございました」とまでへりくだった。
父は2人がかえったあと、「正しい歴史」をグリシャに教育します。
1820年前、われわれの先祖のユミル・フリッツは大地の悪魔と契約して、巨人の力を手に入れた。
ユミルは死後、9つの巨人に力をわけ、エルディア帝国を築いた。
エルディアは、古代の大国マーレを滅ぼし、大陸を支配した。
そこからが暗黒時代となる。
ユミルの民(エルディア人)は、ほかの民族を下等民族と決めつけ弾圧をかけた。
エルディア人は他の民族に子を産ませ、ユミルの民(エルディア人)を増やし、民族浄化を1700年もかけて行った。
マーレが増長したエルディア帝国の内部分裂をはかり、9つの巨人のうち7つを手駒にして、80年前に巨人大戦でマーレが勝利した。
エルディア帝国のフリッツ王は、残された国土の島「パラディ島」に逃げ、3重の壁を築いた。
大陸に残された我らエルディアの残党は、マーレに根絶やしにされてもおかしくないのに、寛大なるマーレは生かしてくれている
と、悪魔の血である自分たちがいかに存在の許されないものか父は説いた。これに対して、息子は「犬」と軽蔑しながら聞いていた。
怒りをためながらもあきらめたグリシャだったが、父のあとをついで医者となった18歳のとき、エルディア復権派、つまり反体制地下組織に誘われる。
「あなたの妹はマーレ当局の男に殺された」というマーレにいる内通者「フクロウ」の内部情報とともに。
フクロウはさまざまな「歴史の真実」とともに、マーレに残されたエルディア帝国王家の唯一の生き残りの女性ダイナ・フリッツを送り込む。
ダイナは、9つの巨人のうち、王家が持つ「始祖の巨人」がほかのすべての巨人をコントロールする力をもっている秘密をあかす。
145代のフリッツ王が、始祖の巨人の力を封印して、パラディ島へ遷都してして、戦うことを放棄したことが、いまのエルディア人たちの惨めな暮らしにつながるとした。
そのため、フリッツ王から始祖の巨人を奪還して、本当の王家つまりダイナに返そうということが組織の目標となる。
その後、リーダーとなったグリシャとダイナは結婚し、男児を生む。
それがジーク
つまり、のちの獣の巨人であった。
マーレも、パラディ島には化石燃料が埋蔵されていることから、パラディ島に侵入して、始祖の巨人を奪う計画をたてる。
表向きは、パラディ島のフリッツ王が宣戦布告したために防御のために、マーレが持つ7つの巨人の器となる子供をマーレに忠実な戦士として一から育てるというものだった。
グリシャとダイナは、ジークをその戦士養成機関に、スパイとして送り込むことを考えつく。
エルディアの誇りをもちながら、マーレには服従したふりをして、巨人の力をもつ戦士となり、戦士となったらマーレを裏切るように教え込んだのだ。
ところが、ジークは7歳になったときに、両親を通報した。
そして、地下組織のメンバーは全員摘発され、楽園送りになった。
楽園送りとは、永遠にさまよう人食い巨人になることだと明かされる。
つまり、これまでエレンたちが戦ってきた人食い巨人とは、大陸のマーレにいたエルディア人だったというのだ。
衝撃の事実が明かされた21巻であった。
【外の世界の歴史】(エルディア人に伝わる歴史とマーレが教える歴史のミックス)
・1800年前 エルディア人(ユミルの民)の始祖の女「ユミル・フリッツ」は大地の悪魔と契約して巨人の力を入手
・ユミルは巨人の力で荒れ地を耕し、橋や道を作り、エルディア人を豊かにし、エルディア帝国ができた
・ユミルは死後に、巨人の力を「始祖の巨人」など9つの巨人に力をわける
・エルディア帝国は大陸の大国マーレを滅ぼす
・ユミルの民(エルディア人)はその後、1700年にわたり民族浄化をすすめる
・100年前、増長したエルディア帝国のすきをつき、マーレが内部離反をしかけ、9つの巨人がバラバラになり戦いあい、巨人大戦が勃発
・145代フリッツ王は離島のパラディ島へ遷都。戦争を放棄し、巨人をつかって3重の壁をつくり、国民とともに「鎖国」し、「不戦」の誓いと干渉してきた場合は巨人を放ってマーレを滅ぼすとの警告で引きこもる
・大陸に残ったエルディア人たちはマーレによって「悪魔の血」として危険視され隔離される
・マーレに逆らうなどしたエルディア人は「楽園」へ送られる
・楽園とは、パラディ島のことで。マーレのエルディア人にとっては永遠の流刑地
・パラディ島でマーレによって巨人化させられた人たちがエレンたちを苦しめた巨人だった
・つまり、エレンたち壁のなかの人たち(ユミルの民)はみんな巨人になれるエルディア人であった
22巻に続く。
ここで、重要なキーワードがでてきました。
・エルディア人
・楽園
・マーレ
佐久間信盛はなぜ追放されたのかについての新説をあげる『織田信長の家臣団』を書評しました
2017年2月に中公新書から刊行された 和田裕弘著『織田信長の家臣団ー派閥と人間関係』(中公新書)を書評しました。
先日書評した『織田信長の古文書』で取り上げた佐久間信盛への譴責19か条に通じるもので、興味深く読み始めました。なにしろ、その理由が新説としてあげられているというからです。
本書は非常に労作です。
データーベースとして、これだけの家譜や家系図を網羅した努力は凄まじいものがあります。
ただ、データーベースを作るのと、そこから導き出される歴史の実像を引き出すのはまた別な話。
そもそも、歴史研究では容易に使ってはいけない(江戸時代に創作された部分が多く、情報として信憑性が低いので)家譜や家系図をもとにして、当時の人脈が「なかった」というのは、今流行りの悪魔の証明をしているようなものかもしれません。
ですので、データーベースとしての本書は価値が極めて高いと思いますが、新説の内容については大いに議論の対象となると感じて、厳しめの書評となりました。
もしよろしければ、武将ジャパンさんに寄稿していますので、お読みください。
全滅覚悟から一気の大逆転へ 進撃の巨人20巻ネタバレあらすじ
シガンシナ区をめぐる調査兵団VS巨人の戦いが前巻から引き続いて続く20巻。
迫力の戦闘シーンが長いので、ストーリーを追うのが趣旨のこのエントリーは短めになります。
20巻は79~82話が収録
【PV】『進撃の巨人』第20巻 2016年8月9日(火)発売!
ベルトルトは 超大型巨人に変身し、その際の爆発で、シガンシナ区内に展開していた調査兵団主力のハンジ隊らは全滅。
残るは、エレンたち104期のいつもの面々になりました。
超大型巨人は自分の爆発で引火した家々を撒き散らし、シガンシナ区を火の海にしてエレンを炙り出そうとします。
なんとか自分たちで超大型巨人を倒すしかないと決断するエレンは、巨人の足にしがみつきますが、サッカーキックによって壁に蹴り飛ばされて、気絶してしましました。
新兵器雷槍も、超大型巨人が防備の際に発する熱によって防がれてしまいます。
一方、区の外側で獣の巨人(ジーク)と対峙するリヴァイや新兵たちに、ジークの必殺技である「石の投球」が襲います。
石をバラバラにくだけた状態で遠方から投げて散弾銃(しかし口径は大砲なみ)のようにして、兵士たちをなぎ倒していきます。
リヴァイはエルヴィン隊長に言います。
「反撃の手数がなにも残されてねぇっていうなら敗走の準備をするぞ
大敗北だ
正直、俺はもう誰も生きて帰れないとすら思っている」
エルヴィンは、「俺と新兵の命を捧げれば策はある」と言います。しかし、なんとそれよりもエレンの地下にある世界の秘密を知りたいとの夢を語るのです。
もちろん、リヴァイはその真意を知っていて、言います。
「俺は選ぶぞ。夢を諦めて死んでくれ。新兵たちを地獄へ導け。『獣の巨人』は俺が仕留める」
そして、エルヴィンは正面から残った新兵たちとともにはるか遠い獣の巨人に向かって突撃します。
獣の巨人は「特攻か」とあきれ、次々に投石してなぎ払います。最初にエルヴィンが腹をえぐられて落馬しますが、新兵たちも泣きながら己の犠牲となった人生を全うします。
リヴァイはこの隙に、壁から獣の巨人までを取り囲んでいる20メートル級の巨人たちを立体機動のための柱にして、次々に打ち倒し、ついには獣の巨人を倒し、ジークを中から引きずりだしました。
リヴァイはジークをすぐに殺しません。
育ての親のケニー・アッカーマンから渡された巨人化の注射器によって、瀕死の誰かを巨人化させてジークを食べさせれば生き返らせることができるからです。
それを考えた刹那、もう一人の今回初登場の4足歩行の巨人がジークを口で加えてシガンシナ区へと逃げます。
シガンシナ区では、鎧の巨人(ライナー)も復活。104期の兵士はさらに厳しい状況に追い込まれます。
しかし、アルミンは気づきます。超大型巨人が細くなっていることに。
たしかに消耗していたのです。
アルミンは打開策を考えました。アルミンとエレンで超大型を倒す。
鎧の巨人は、ミカサたちでなんとかしてくれと。
「超大型を騙すことさえできれば僕達の勝ちだ」
2人は超大型に向かおうとしますが、巨人のエレンは足元がふらつき、壁上から転落してしまいます。
超大型のなかの人(ベルトルト)は「おそらくは重度の脳震盪」と判断。
一人、無謀にも飛びかかってゆくアルミン。
アルミンは、超巨大の筋肉には立体機動のアンカーはささらないが、歯はとけないとの読み通りに、歯にアンカーをつきさします。
ただ、ベルトルトは熱を出して、宙に浮いたアルミンを炙ります。
そしてとうとう黒焦げになって気を失い放り出されます。
ベルトルトは「終わった」と思ったその瞬間、
壁から落下したエレンの巨人が硬質化された抜け殻であることに気づきました。
その刹那
後ろからエレン(人間)があらわれて、ベルトルトを巨人の中から「切り出し」ました。
その頃、鎧の巨人も、死んだはずのハンジがあらわれて援護したことで、巨人の口をあけさせて、ミカサが口のなかから雷槍を起爆させて、うなじから爆発によって中の人ライナーを飛び出させることに成功します。
一時は、百戦錬磨のリヴァイですら「全滅」を覚悟した状況から、一気に敵の4体の知恵のある巨人(*あとでわかることだが、知恵を持つ巨人は、全部で9体この世に存在する)のうち3体を倒すという大逆転劇となったのだ。
21巻では、大勝利のあとに、兵士たちが直面する、戦いよりも辛い選択が訪れる。
21巻に続く。
新兵器雷槍で鎧の巨人倒すもほぼ全滅の大爆発 進撃の巨人19巻あらすじ・ネタバレ
いよいよ、調査兵団と巨人のガチ対決です。
75~78話を収録した19巻は、大迫力のバトルが続きます。(18巻のあらすじはこちら)
ということはストーリー的(世界の謎)には、それほど進展がないということになります。なのであっさりまとめます。
巨人軍には、新たな巨人(四足歩行タイプ)が参戦です。
知恵のある巨人は、指揮官相当の「獣の巨人」(ジーク)、鎧の巨人(ライナー)、超大型巨人(ベルトルト)、四足歩行巨人(「車力の巨人」、マーレ篇で誰かがわかります)の4体となります。
獣の巨人は、まず小型の「無垢の巨人」(知恵のない通常の巨人たち)を操作して、兵団の馬をつぶしにかかります。馬がなければ兵団は補給や撤退をたたれ、巨人は取り囲んで彼らを飢餓に追い込むことも可能だからです。
進化する兵団、新兵器の登場
調査兵団も、この戦いに「雷槍(らいそう)」という新兵器をもってきています。
シガンシナ区の外の馬をまもる守りの戦いと、
シガンシナ区内にいる鎧の巨人を倒す攻めの戦いの両面作戦です。
鎧の巨人の相手は、巨人化したエレンです。
一対一の巨人たちの格闘戦が始まります。
そして、新兵器の雷槍を装備した、ハンジやミカサが鎧の巨人(ライナー)に襲いかかります。雷槍は、電撃のような武器で、これまで傷つけることができなかった鎧の巨人に確実にダメージを与えることに成功。
とうとう、鎧の巨人は倒れ、なかの人、ライナーは頭を吹き飛ばされます。
ここで、回想シーンが入ります。
まだ兵団の仲間だった頃の、ライナー、ベルトルト(超大型巨人)、そしてアニ(女形の巨人)が、同じ新兵のマルコを事実上、殺したことが明らかにされるシーンです。
なるほど、勘のいいマルコに彼らの正体がばれそうになったためだったのです。仲間を殺すことになった3人の苦悩が描かれています。
最強?超大型巨人を爆撃
ライナーの鎧の巨人は、頭をふきとばされてなお、咆哮します。
それが、ベルトルトの「出陣」の合図だったのです。
獣の巨人は、ベルトルトが入った樽を城壁の外からシガンシナ区へ投げ込みます。
ベルトルトが超大型巨人に変身する際には、周囲をなぎはらう大爆発を起こします。
爆発を起こそうとした瞬間、ベルトルトはライナーが死んでいることを見て、変身せずに、近寄ります。兵団は、このことで爆発から逃れることができました、一時期にすぎませんが。
ベルトルトは、ライナーが死んでいないことを知ります。ライナーは、意識を脳から全身の神経網にうつすことで、ギリギリで命を保つことができるのです。
そのとき、アルミンが意を決して、ベルトルトと最後の交渉を持ちかけます。友情にかけたのです。
しかし、ベルトルトは「僕の要求は、エレンの引き渡しと壁の中の人間全員の死の2つだけだ」と拒否。
空中に高く舞うと、大爆発して超大型巨人に変身します。
鎧の巨人の息の根をとめようとしたハンジ班は爆発に巻き込まれ、全滅してしまいます。
残るは、巨人となったエレンと同期組のみ。
超大型巨人とのバトルの続きは、20巻へ。
エレンに父から巨人が受け継がれた逸話明らかに!進撃の巨人18巻のあらすじネタバレまとめ
進撃の巨人は、ブームのさいに、もちろん読んでいました。
革命を成し遂げたあたりで、一服感があったので、そのまま数年、読んでいませんでした。
しかし、たまたま、コンビニで最新刊の22巻を見かけて、読んでみたところ、日本史だった話が世界史にまで展開するようなことになっていて、ビックリ。
すぐにキンドルで、この第二部的な話のはじまる18巻から読み始めました。
壁の先の世界がいっきに広がっただけに、話はその分、ややこしくなりました。
そこで、自分用にも情報を整理してまとめようとした次第です。
まったく未読者への考慮はない、ネタバレし放題ですので、読もうという方は、この記事を読まないようにしてください。
18巻はキンドル版の奥書で2015年12月刊行です。
71話から74話までが収録されています。
調査兵団長だった鬼教官
革命によって政権を奪取した調査兵団は、エレンの巨人化を利用して、壁にあいた穴を塞ぎ、巨人に奪われた土地「ウォール・マリア」を再び取り返すという人類史上初の攻勢に出ることを決めます。(*ウォール・マリア領は人類がすめる地域の3分の1を占める)
エレンたちは、エレンが巨人がなった秘密を知るために、訓練兵団教官のキース・シャーディスのもとを訪れます。
あの鬼教官は、じつは先代の調査兵団長だったのです。
そういえば、第一話から調査兵団を率いる人物として、髪の毛がふさふさの男がいましたが、それがシャーディスだったのです。(気付かなかった)
シャーディスは20年前に、エレンの父グリシャを壁外で見つけた人物でした。
2人は仲良くなり、通う居酒屋の看板娘のカルラにほれます。グリシャは医者であるため壁の中でも医者として活躍。
一方、シャーディスも調査兵団長に出世。
しかし、カルラが選んだのは、グリシャでした。
シャーディスは新団長として、成果を出そうとするものの、これまでと同様に犠牲者ばかり出します。そうしたなかで、若手のエルヴィンは新戦術「長距離索敵陣形」を発明し、採用を促しますが、これを却下。
そしてまた作戦は失敗し、町に戻ってきた失意のシャーディスの目の前に男の赤ん坊を抱いたカルラがあらわれます。
赤ん坊つまりエレンを旧知のシャーディスに親しげに見せようとするカルラに対して、シャーディスは暴言を吐くのです。
「酒をついで男にこびを売る女に、偉業なんて理解できるか」(趣旨)
こう言いながら、シャーディスは気づいていたのです。自分自身が偉業を成し遂げられる特別な人間ではないことを。
そして、シャーディスは5年前に、調査兵団はじまって以来初めて、団長をエルヴィンに「生前譲位」しました。
そのとき、巨人が壁をやぶり侵入したあの悲劇の日が起こります。
カルラの子を守りたかったシャーディスの「謀略」
シャーディスはグリシャと久しぶりに混乱の中で再開し、カルラやエレンたちをさがします。
「カルラ、どこだ。あの時の無礼を謝りたいんだ」とつぶやきながら。
その夜、避難所で見つかったエレンは、カルラが巨人に食われたことを告げます。
グリシャは、「母さんの仇はお前がうて」といって、エレンを森のなかに連れて行きます。そうです。巨人である自分をエレンに食べさせることで、巨人の力を移すためです。
シャーディスは、グリシャに「お前が討てばいいだろ カルラの仇を」と言います。もっともな疑問です。この理由は後の22巻での明かされる伏線です。
森に消えた2人。
しばらくして、森の中で閃光を見て、そこにシャーディスが行くと、グリシャはおらず、ただエレンが寝ていたのです。シャーディスはエレンがグリシャを食べたことはもちろん知りません。
ただ、シャーディスはエレンをもとの避難所に戻しました。
・・・・
回想がおわり、現在に戻り、シャーディスは、カルラに暴言を吐いたあとに、カルラが言ったことばをエレンに伝えます。
「特別じゃなきゃいけないんですか?
この子は偉大になんてならなくていい
この子はもう偉いんです。だってこの世界に生まれてきてくれたんだから」
愛した女が守りたいもの、それはエレン。
3年前に訓練兵団に来たエレンの怒りをたえた目を見たシャーディスは「父親の意志が受け継がれたこの子をカルラに代わって俺が守らなくては」との決意を秘めます。
それが、訓練時になぜか機械が壊れて立体機動の体勢をとれずに、除隊させられる間際までいったあの逸話につながります。
機械を壊したのは「エレンの母たる」シャーディスだったことが明かされます。
兵士にさせずに、ふつうの一生を終えさせようとしたわけです。
あの冒頭のエピソードに、こんなにたくさんの思いが込められたとは想定外でした。鬼教官シャーディスの曲がった形ながらも精一杯の愛に、涙が出ました。
エレンの家の地下室に眠る秘密
シャーディスの告白で、エレンの父グリシャ・イェーガーが壁の外から人類であることがわかりました。
壁の外から来た巨人の力を持つ人間といえば、アニ、ライナー、ベルトルトという壁の中の人類を滅ぼそうという敵ばかり。
しかし、グリシャは壁の中の人に協力的です。そこの違いはどこにあるのか?
調査兵団の目的に、グリシャがウォール・マリア内のシガンシナ区の家の地下に残した地下室が加わります。
そこには、100年前に初代レイス王が隠した本当の歴史(世界の記憶)があると思われるのです。
ウォール・マリア最終奪還作戦は、市民の歓声を受けて始まりまた。
そして、明け方、とうとうエレン、ミカサ、アルミンの故郷に。
5年前に放棄されて廃墟となった壁に囲まれたシガンシナ区にとうとう戻ってきたのです。
隠れているライナーたちを探せ
なぜか巨人はいないが、ライナーとベルトルトがいた痕跡(焚き火をしてコーヒーを飲んだあと)が見つかり、待ち受けていることは判明します。
まず、第一にやることは、ウォール・マリアにあいた穴である、シガンシナ区の壁の穴をエレンの巨人の結晶化によってふさぐことに成功します。あっさりと。
だが、これは第一段階。
壁をやぶれるライナーとベルトルトの巨人が健在では、すぐに壊されるだけ。
彼らとの激突は間近です。
近くにいることは確実で、団員たちが周囲をさがすが見つけることができません。
捜索の指揮を任されたアルミンは、壁の中に空洞を作っている可能性に気づきました。
そして、ライナーの発見。
すかさず、リヴァイが首をさすが、切断間近でライナーは巨人化に成功してしまいます。
その瞬間、シガンシナ区の内部ではなく、外側に隠れていた獣の巨人率いる巨人たちがあらわれます。巨人側もやはり待ち受けて罠をはっていたのです。
団長のエルヴィンは言います。
「我々は互いに望んでいる
ここで決着をつけようと」
大きくなった?シガンシナ区
ついに、エレンたちは、第一話での因縁の地シガンシナ区へ戻ってきました。
それにしても、シガンシナ区ずいぶん大きくなってやしませんか?(笑)
19巻のあらすじに続く