地獄を表現するのは楽じゃないです。
一個人でもらくらく暮らせる現代の先進国と違って、世界の大多数と江戸時代以前の日本では、社会の秩序を守るのは法律ではなく、宗教なんですよね。
イスラム教での女性の人権侵害やキリスト教とイスラム教のぶつかりだ、マイナス面も多いのですが、社会の維持装置としての宗教を乗り越えたはずの現代の日本では、いろいろと倫理観のなさからくる問題が山積しています。
「悪いことすると地獄にいくぞ」という潜在的な脅しが必要になっているのかもしれません。
と、思って棚から『地獄絵』という新人物往来社のビジュアル本を出してきました。
想像力を駆使して地獄のこわさをアピール
地獄には8つの階層があるのですが、下に行くほどひどくなる。
でも、人間の表現力って、それに追いつけないんですよね。
地獄への深さ「1000由旬(ゆじゅん)」とか、架空(本当はインドの里数らしいですが)の数字を使ったり。1000里とかいうと、「ふーん、わりと近いじゃん」と覚めちゃうからでしょう。
地獄の刑期も500年や1000年とかなのですが、500年とかだと、わりと現実的な数値だからでしょうか。
いや、実は「500年といっても、地獄での1日は500年なんだよ。だから人間の世界だと1680億年」と言うわけです。
江戸時代には計算機なんてないから適当なわけです。本当は、それだと25万年なんですけどね。
今だと計算機ですぐ分かって、「ぷぎゃー!」とされる。さっそく、はてなブックマークでそういうところに突っ込んでぷぎゃーしている人もいますが(でも、その人も計算が間違っているというw)
一番下の無間地獄では、それより上階の地獄の苦しみを合計した1000倍なんて言っちゃったもんだから、どうやって絵にしようと悩むわけです。
あげくに、
「この無間地獄に行くまでには長い穴を2000年も墜落する」とか。
ぜひ絵を見てください。実にシュールです。これ遊びだろw
「無間地獄には怖い虫が棲んでいる。その虫には8万個のくちばしがついていて、それが5億匹もいる!ドン」みたいに。
というわけで、続きはこちら(Bushoo!Japan)で。