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歴史ニュースウォーカー

歴史作家の恵美嘉樹が歴史のニュースや本の世界を歩く記録です

さよならキトラ古墳。現地調査終了と石室封鎖へ

 21世紀の考古学界最大の不祥事といえば、高松塚古墳キトラ古墳の極彩色壁画を国(文化庁)の不手際で「破壊」したことでしょう。
 20世紀最大の不祥事の「旧石器捏造事件」は、民間の考古学者がやったことですが、こちらは文化財を守る総本山の国の失態ですから、本当の意味での重さはこっちのほうが痛いはずですが。。。(連続殺人犯を警察のミスで捕まえられないのと、警察官が殺人犯になるような違い)

 奈良文化財研究所などがきのう(2013年3月13日)、キトラ古墳で、壁画をはぎ取り後の石室などの現地調査が終了したと発表しました。各紙のネットでの記事を見る限り、なぜ壁画をはぎ取ることになったのかについての批判的な内容は一切ありませんでした。


=写真は産経

 こうして誰も責任をとらずに歴史の闇に消えていくのでしょう。そういえば、旧石器捏造事件でも別にだれも責任はとっていませんでしたね。なんだかなぁ。

 なんで、こんな怒っているかというと、ちょうどこのことについて書かれていた本を読んでいたからです。受け売りです、ハイ。

 矢澤高太郎『天皇陵』(中公選書)です。

天皇陵 (中公選書)

矢澤 高太郎 中央公論新社 2012-10-09
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 筆者は元読売新聞の記者さん。そこに高松塚やキトラ古墳についても書かれていますが、

 ここまでの一大文化遺産(*キトラ古墳のこと)もその後、危惧された通りの悲しい運命をたどることになる。壁面を彩るこれらの壁画は、高松塚同様に文化庁の杜撰極まりない管理によって平成17年に、とうとう剥ぎ取りにまで追い込まれてしまった。
 山林の中のその墳丘は、昭和58年の調査以来、ビニールシートをかけられたまま放置されていたのだから、誰が見ても、当然の結果といえる。
 
 今も鮮明に思い出すのは、第3次調査で確認された朱雀の鮮やかなカラー写真を各紙が大々的に報道した時、まったく別の主張を繰り返していた同志社大助教授(当時)の辰巳和弘さんの言葉である。

 「壁画や天文図で騒ぐ前に、今すぐ保存対策を講じなくては」との指摘の通り、発表された写真に写っていたのは、壁の漆喰に走る大きな亀裂だった。

 
 この本、飛鳥時代天皇陵についての本なのですが、ところどころ爆弾があります。

 真の欽明天皇陵といわれている見瀬丸山古墳(五條野)(奈良県橿原市)についてですが、陵墓参考地で入れないのはずなのですが、昔、「一般人がたまたま石室に入っちゃって写真をとってみたらすごかった」ということがありました。事件の内容についてはこちらのブログが詳しいです。

 それがどうも、「一般人」が一般人じゃなかったっぽい。違法行為なのですが、「一般人がたまたま」なら「まあ仕方ないか」となるし、なってきたけど。もしも「わざとだったら」・・・

 これについてまた出てくるコメントは上記の辰巳和弘さん

「このようなことをやっていたら、日本の考古学はダメになります。これは、陵墓の公開に向けて正面から宮内庁に挑むという真っ当な姿勢を、学界側が自ら放棄したようなものじゃないですか(以下略)」

 辰巳和弘!どこまで「漢(おとこ)」なんだ!北斗の拳に登場させたい

 で、肝心の真相(もうモロばれな感じですが=本にはナゾの直撃インタビューが載っていますし)とは、
 

ここから私の主張と事件の真相をめぐる推論を展開させたいのだが、中央公論社に多大な迷惑をかけることになるので、別の機会に詳述することにした。


 なんやねん、それは! 「続く」かよ!

 ともあれ、飛鳥を歩くのに、とても役立つ古墳ガイドでもあり、ときどき毒ある裏話が満載なので、ぜひどうぞ。対象が飛鳥時代で、箸墓などについて書かれていないのが惜しいです。こっちの同じ著者の天皇陵の謎 (文春新書)はもっと幅広い時代のようですが。

 男辰巳和弘△の本はこちら

他界へ翔(かけ)る船―「黄泉の国」の考古学

辰巳 和弘 新泉社 2011-03
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