歴史ニュースウォーカー

歴史作家の恵美嘉樹が歴史のニュースや本の世界を歩く記録です

淡路地震の翌日に読んだ歴史地震の新聞書評

 今週日曜日(2013年4月14日)の新聞書評面は、淡路地震の日(たまたまでしょうが)ということもあって、歴史地震の関係の書評が目に付きました。
 毎日新聞は、「武士の家計簿」の磯田道史さんが新たに評者となって、
保立道久,平川 新,成田龍一ほか『日本列島 地震の2000年史』 朝日新聞出版(2013-02-20)
 を紹介しています。

本書の読者は、教科書に出てくる歴史上の出来事の多くが、実は、地震のせいであったことに驚くであろう。

これはなんのことかというと
奈良の大仏建立の理由
祇園祭の発生の理由
などです。

三陸で遠藤未希さんが避難アナウンスを続けたあの三階建ての防災庁舎。建っていた場所の地名は「塩入」。津波高潮の常襲地につけられる歴史地名だ。防災庁舎など建ててはいけない場所だった。「歴史を知っていれば……」私は悔しいと思った。

 

 磯田さんが書評界に戻ってきて楽しみですね。ただ毎日の評者のリストを数えると40人もいて、載るのは1回につき5人くらいなので、2か月に1度くらいですかね。
 4月6日に、下のような釣りのエントリー書きましたが、はい、引退していませんでした。すみません。(週刊文春の連載が終わった、というだけ)

  • 悲報!「武士の家計簿」の磯田道史が引退()! なので磯田道史著作特集!

http://d.hatena.ne.jp/emiyosiki/20130406/p1
 

 ほかには、地震関係では、地震考古学の第一人者の寒川旭さんの新書が朝日新聞で短くでていました。

 ただこの人の新書は下のように震災後に乱造気味で、ちょっと食傷気味・・・

地震の日本史―大地は何を語るのか (中公新書)

日本人はどんな大地震を経験してきたのか (平凡社新書)

 
 面白そうなのが朝日新聞が紹介していた、『鉄条網の歴史』(洋泉社)。著者の石弘之さんは元朝日新聞の環境ジャーナリスト(だったはず)。
 農園を獣の食害から守るために発明された鉄条網が、まずはカウボーイの職を奪い、そしてついには戦争のありかたまで変貌していくという。

 神社ものでは、読売新聞が「お伊勢参り」(中公新書)を、朝日新聞が「明治神宮」(新潮選書)を、それぞれ江戸時代、近現代の目で書評しています。

ほかの歴史関係では以下のようなのが載っていました。