歴史ニュースウォーカー

歴史作家の恵美嘉樹が歴史のニュースや本の世界を歩く記録です

最速ブックレビュー!歴史業界に新規参入した大型右腕が2冊目からいきなりナックルボール

 「最速レビュー」言ってみたかったフレーズです。よくビジネス書評ブログやiPhoneブログなどで見かけますが、歴史本なら、実は無競争?

 先日(11月14日)のエントリー「もしも、さおだけ屋はなぜ潰れないのかの著者が加賀藩御算用者で武士の家計簿をつけていたら禄高はいくらなのか?」でも、タイトルだけ出ていただいた山田真哉さんですが、もちろん世の中的には「さおだけ屋さん」として知られています。

いや、さおだけ屋さんじゃないのですよ。
本当は御算用者(公認会計士)です。

ですが、大学では歴史を専攻していたとのことで、昨年からは歴史作家としても活躍しています。「さおだけ屋はなぜ・・・」は軽く百万部オーバー。いってみれば、イタリアセリエAのエースストライカーが別府プロ温泉卓球リーグに電撃参戦したようなものです。

もちろんデビュー作はマネー歴史本でした。

経営者・平清盛の失敗 会計士が書いた歴史と経済の教科書

経営者・平清盛の失敗 会計士が書いた歴史と経済の教科書


歴史研究家というのは、別に江戸時代の武士でもないのに、どういうわけかお金のことは苦手。
しかし、資本主義であろうと、共産主義であろうと、農本主義でも、帝国主義でも、律令主義でも、、、、
食べるためには、「先立つもの」が必要です。
この「先立つもの」とは、必ずしも貨幣を意味せず、物々交換であれ、広い意味で経済活動ということです。

人間が社会生活を営む以上、マネーからは逃れられません。ですので、歴史×マネーというのは、とても興味深い分野です。

で、その山田さんが出された歴史本の第二冊目(山田さんのブログ)とは!

「わしは誰じゃ? 戦国武将の巻」(理論社)998円
山田 真哉 (著)、 山崎 史人 (イラスト)

わしは誰じゃ?~戦国武将の巻~

わしは誰じゃ?~戦国武将の巻~

なんじゃこりゃ???? 覆面レスラー? 

はい、マネー本ではありませんでした。

ところが、この本は浅くて深い


ゆるゆるなイラストの人物にマスクをかぶせて、色々な戦国エピソードから「誰か」を当てるという、新ジャンルな歴史クイズ本です。

1人目

おいおい、○おいの御紋がマスクに書いてあるよ。簡単すぎ。なめてんの。
ヒントが「う○こした有名人」って。






13人目

誰よこれ?
千利休をお○した???
あぁぁぁ、あの「へうげもの」に出ていた。。。なんだっけ、カマだか〆だか。
へうげもの(1) (モーニング KC)


などと、言っているうちに
あっという間に読んでしまいました。いやはや、楽しかったこと。

しかし、「あー、楽しかった」だけでは浅いだけ、
恵美嘉樹が浅くて「深い」といったのは、次のことなのです。

歴史の楽しさというのは、
脳みその中に、バンと大きな本が開かれていて、そこには字からデータから楽しそうな絵まで様々な情報がびっしり盛り込まれている。
それを夢中になってパラパラ、パラパラとめくるような感覚が生み出す快感だ、
と思っています。

この脳みそに快感を与えてくれる方法を一番活用しているのはやはり漫画だと思います。

でも、漫画がない時代、小説がない時代に、このことをできたのは、口述でも記述でも、歴史しかなかったじゃないのかなあと、恵美は考えているのです。

ここ数日のブログで、アルファブロガーの「やまもといちろう」氏風に、斜に構えてみたり、色々試行錯誤していましたが、

歴史の楽しい見せ方について、あらためて考えさせられました。

あと、うちの子はなぜか遺跡などが大嫌いなので(涙)、「う○こ」で釣れそうなので、本書を与えてみて、歴史ワールドに引き連れていこうと思っています。

*画像はネタばれしない程度に、あとでアップします


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