【歴史クイズ】八ツ橋は地名か人名か【京都グルメ】
修学旅行の定番、「八ツ橋」ですが、今は「生八ツ橋」のほうが有名ですが、本来は「橋」のような形をしたせんべい(焼き菓子)です。
=井筒八ツ橋本舗SHOP
ところが、これは「橋」ではないのです。
八ツ橋を辞書で調べると
1 池・小川などに、幅の狭い橋板を数枚、稲妻のような形につなぎかけた橋。8枚の板からなる三河の八橋に由来する。
2 琴の形に擬した短冊形のせんべい。蒸した米粉に砂糖と肉桂(にっけい)粉とをまぜた生地を堅焼きにしたもの。八つ橋せんべい。また、焼かないで二つ折りにして小豆あんを挟んだ生(なま)八つ橋もある。京都の名物。
(大辞泉)
とあるように実は「琴」の形なのです。
もともと「八橋」と言えば、地名の「三河の八橋」のほうがうんと歴史があります。辞書の(1)の項目ですね。
愛知県知立(ちりゅう)市にある地名です。
平安時代の歌物語『伊勢物語』で「逢妻男(あいづまお)川」に八本の橋があったのことが起源とされています。
で、お菓子の八ツ橋は、これと関係あるかと言うと、全く関係ありません。
では、いったいなんなのか?
クイズの答えは「人名」です。
その名は
八橋検校(やつはしけんぎょう)さん(1614〜85)
江戸時代前期に活躍した盲目の琴演奏家で、三味線の八橋流の祖となりました。
磐城平藩(福島県)に仕える「宮廷演奏家」でしたが、50歳くらいで「リストラ」され、京都に移住しました。沖縄の三味線(さんちん)もこの人の弟子がオリジンとなっているそうです。
つまり京都で有名なミュージシャンにあやかって、その楽器をモチーフにしたお菓子を創作したということですね。
現代ならば、盲目のピアニスト辻井伸行さんや聾の作曲家佐村河内守さんの名前のスイーツといったところでしょうか。
- アーティスト: 辻井伸行
- 出版社/メーカー: avex CLASSICS
- 発売日: 2012/10/17
- メディア: CD
- 購入: 1人 クリック: 3回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
ちなみに、検校(けんぎょう)というのは、「住職」「大僧正」みたいな職名です。
古代には、僧侶のリーダー的な役割の人への呼称でしたが、鎌倉時代からは、目の悪い人たちのギルドのリーダーに付けられる呼称となりました。
下のボタンをクリックお願いします!励みになります。
にほんブログ村
更新情報のRSS(ページのヘッダーにもあります)をぜひ登録してください。
http://d.hatena.ne.jp/emiyosiki/rss