今週の歴史本書評の評。近現代史ものばかりでテンションあがらず
今週は、古代や戦国などの「歴史、歴史」した本はほとんど見あたりませんでした。近現代史ものばかり。日本史ではないですが、最後にイギリスの面白いネタ本がありました。
だれかには懐かしいかもしれない現代史
読売新聞は戦後ものが2冊
それぞれの書評を読んでも私にはピント来ませんでしたので、タイトルだけ。アポロ11号月面着陸やら美輪明宏の「ヨイトマケの唄」やら、六十代くらいなら「懐かしい〜」とかなるのかなぁ。
こちらは管啓次郎さん(明治大教授、詩人・比較文学者)の評。
「われわれの女神、アイドル、はるかな目標だった。鳥飼玖美子さんだ。」とアツイ。
だそうです。現在、立教大教授で67歳の元アイドルらしい。
=写真はcumsophia on line in FC2 - 第20回コムソフィア賞は鳥飼玖美子さんに決定!
こちらは宇野重規さん(東大教授、政治学者)の評
炭鉱の風景をテーマにした「ヨイトマケの唄」は昨年の紅白で熱唱されてすごかったけど、アラフォーのわたしにはそこに同時代性は感じません。でも団塊世代にはたまらないんだろうなぁ、と思ったら、筆者の水溜(みずたまり)さんは1972年生まれ。同じ年やん。
アイヌの聞き取り?面白そうだけど出版元にも掲載なしの謎【追記:謎とけました】
書評ではないけど、記者が選ぶコーナーの瀧口夕美『民族衣裳を着なかったアイヌ』が面白そう。
あの有名なアイヌの絵は、普段着ではなく、中国(よくみると、清の皇帝服みたいでしょ)にヨーロッパの靴などのグッズをまぜたコスプレ。イメージとしてのアイヌをつくっているけど、実像ではないんですよね。
この本はアイヌと思われる著者が母親らほかのアイヌに過去の記憶を聞いて歩いた内容をまとめた本のようです。
サケの狩猟生活だったアイヌたちが畑作や酪農などに従事していく様子が書かれているそうです。生活をかえたことは大変なことだったと思います。
ですが、歴史的にはアイヌはもともと畑作などの定住生活をしていたのが、鎌倉時代頃から和人との接触・交易によって、定住生活をあえて捨てて、自分たちの意志で生産性の高い=もうかるサケなどの狩猟生活になったという経緯があります。
狩猟生活というと、どうしても「原始的」と思いがちですが、北海道という風土にあって、選択した「進化」だったのです。けして遅れた文化ではありません。アイヌの人を含め、多くの人に知ってほしいですね。
さて、この本も買おうかと思うと、また自費出版のようです・・・
問い合わせが編集グループSUREとなっています。
http://www.groupsure.net/books/index.html
ただ、SUREのホームページを見ても、この本は載っていません。いったいなんなんでしょう???
【追記】2013年6月30日
コメントでご指摘いただきましたが、今はHPに載っています。新聞の掲載が早すぎたのかもしれません。黒川さま、教えていただき、ありがとうございます。
あと、市民の考古学シリーズの坂詰秀一『歴史時代を掘る』(同成社、1800円)がちらっと10行だけ紹介されていました。
満州航空の全貌
こんなのも2000年に出ていますね。最新鋭機を擁し、軍と民の二つの貌を持つ、
世界に類例のない航空会社。謎に満ちたその実態が初めて明かされる!一九三一年、満州国建国にともなって創設された「満州航空株式会社」。総延長航路二万三千キロ、民間輸送のみならず測量や航空機製造など広範に行う一方、「軍」の任務も遂行するというもう一つの貌をもち、「ヒツジの皮をかぶったオオカミ」と呼ぶものもある。中国大陸で多岐にわたる活動を行ったにもかかわらず、一九四五年の敗戦時に資料のほとんどが処分されたため、今日に至るまでその実態は明らかになっていない。
本書は航空技術に詳しい著者が数年の歳月をかけて生存する関係者への取材を重ね、断片的な資料をたんねんに読み込んで、初めてその全貌を描きだした渾身のノンフィクション作品である。(アマゾンより)
亡びゆく言語を話す最後の人々は、日経でも。先週の朝日に続いて。