歴史ニュースウォーカー

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第一部壁の中編の完結!進撃の巨人22巻ネタバレあらすじ

進撃の巨人22巻(2017年4月7日発売)は、1巻から始まった「壁の中」編つまり事実上の第一部の最終巻となります。

87話から90話まで収録されており、90話のタイトルは「壁の向こう側へ」です。

21巻の後半から始まった謎ときの続きとなり、重要なネタバレが満載ですので、知りたくない人は読むのをストップして本編をお読みください。

 

進撃の巨人(22) (週刊少年マガジンコミックス)

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エレンの父グリシャ・イエーガーが残した3冊の本には世界の真実が書かれていました。

中世的な(唯一立体機動だけが現代をも越える技術ですが)世界で、人類はすべて壁の中にしかおらず、壁の外の人はみな巨人に食われて絶滅したと思われていました。

しかし、これは100年前に、記憶を操作できる「始祖の巨人」を持つフリッツ王が、歴史を改ざんしたものでした。

戦うことを放棄して滅びるのを待つというのは、理解しがたいかもしれませんが、察しの通り、戦後日本の「平和憲法」や「核の抑止力」を暗示しているのでしょう。

グリシャは、大陸にのこった唯一の生き残りダイナと結婚し、ジークが生まれます。

グリシャとダイナは、ジークを二重スパイとしてマーレの戦士の養成機関に送り出しますが、ジークは、自分のことよりもエルディア復興ばかり言い、愛を感じさせずに思想を押し付ける両親をマーレに密告しました。

この密告で、エルディア復興派という反政府地下組織は摘発され、メンバーは全員、楽園へ送られることになります。

グリシャは、船でパラディ島へ運ばれます。

まわりには仲間たちも並んでいます。

グリシャを「巨人化による終身刑」に処する担当者は、幼いころに妹が殺された時にいたマーレの治安当局の2人のうちの1人でした。

さらには、妹を殺したもう一人の当局の男もいます。

メンバーのなかまたちは首のうしろに巨人の髄液を打たれることで、次々に巨人になります。

そしてダイナもあらわれます。

ショックを受けるグリシャ。なぜなら、ダイナの巨人化だけは避けようとグリシャは尋問で、彼女が王家の生き残りだと告白していたからです。

「なぜ ここに 伝わってないのか

俺は洗いざらい全部話したぞ

お前らマーレにとっても彼女は重要なはずだ

彼女は王家の血をー」

なでいったところで、治安当局の男(クルーガー)に押さえつけられます。

(俺はこいつの部下に言ったぞ まさかこいつが揉み消したのか?)

ダイナは巨人にさせられます。

最後に

「グリシャ 私はどんな姿になってもあなたを探し出すから」

といって巨人になりました。

ダイナの巨人は、エレンの母を食べたあの女型の巨人でした。

ここで、エレンが独房のなかで目覚めます。

エレンは父のグリシャと記憶が合体していたのです。

リヴァイへ反抗したことでエレンとミカサは懲罰房に入れられていました。

再びグリシャの記憶にシーンは戻ります。

最後の一人となったグリシャ。

妹を殺した男に「15年前 俺の8歳の妹を犬に食わせたのはお前だろ」と問い詰めますが、男は「ひとが化物に食われうのが面白いんだよ」と言い、グリシャは巨人にせずに、巨人たちに食わせるために突き落とそうとします。

その瞬間、突き落とされたのは、グリシャではなくこの男グロス曹長でした。

突き落としたのは治安当局のもう一人の男クルーガーです。

男は巨人に食われます。

クルーガーは言います。

「どうだ?これが面白いと思うか

俺がフクロウだ」

と、自分が内部工作員であることを明かし、

「覚えておけよ グリシャ

巨人の力はこうやって使う」

といって、ナイフで手のひらをきると、エレンと同じ巨人に変化して、マーレの船や残りの治安当局者たちをすべて破壊、殺し尽くします。

この場所には、グリシャとクルーガーの2人だけ。

クルーガーはなのります。

「俺はエレン・クルーガー

9つの巨人の一つをこのみに宿している

つまりはお前と同じユミルの民だ」

医者に協力者をつくり血液検査をくぐりぬけマーレ人として侵入していたのです。

「何千人ものユミルの民の指を切り落とした

何千人もここで巨人にしてきた 女も子供もだ

すべてはエルディアのためだったと信じている

時間がない

グリシャ お前に最後の任務を託す

これから壁内に潜入し 始祖の巨人を奪還しろ

俺から巨人を継承しその力を使ってな

クルーガーはグリシャを巨人化して、自分は食われるというのだ。

ここで巨人の秘密があかされる。

「9つの巨人」を継承したものは13年で死ぬ

ということだった。

13年は始祖ユミルが力に目覚めてから死ぬまでの時間に相当する年月で、始祖ユミルを越える力は持てないというのがその理屈だ。

これでグリシャが巨人が襲来した際に自分で戦うのではなく、エレンに託した理由も判明した。すでに13年が近づいていたのだ。

逆算すると、5年前に巨人を父から継承したエレンは残り8年の人生となる。

クルーガーの説明は続く。

食われないまま13年がたつと、それ以降に誕生するユミルの民の赤子に突如として継承される。距離や血縁とは無関係に。

これはユミルの民がすべての道でつながっていることを意味する。

巨人を形成する血や骨はその道を通り送られる。

ときには記憶や誰かの意志もその道をとおるために、時空をこえて、記憶がよみがえることもある。

すべての巨人、すべてのエミルの民はすべて一つの座標でまじわっている。

それが「始祖の巨人」だ。

ライナーたちが、「座標」をエレンにおさえられたら大変なことになると言っていたのは、エレンが(というか父のグリシャが)真の王を食べたために「始祖の巨人」も持っているからだ。

クルーガーがダイナを見捨てたことの理由は、マーレにダイナが王家とわかると、王家のものしか、始祖の巨人をちゃんとコントロールできないために、ダイナを死ぬまで、大量に子供を産ませるためだけの「巨人生産機械」とされることを心配したからだった。

クルーガーは最後の情報を伝える。

クルーガーの持つ9つの巨人の一つの名前だ。

「その巨人はいついかなる時代においても自由を求めて進みつづけた

自由のために戦った

名は

進撃の巨人

ここで、シーンはエレンたちに戻る。

エレンとミカサは牢屋から解放され、女王に謁見することになる。

女王のヒストリアは、部屋でライナーからたくされた親友ユミルの手紙を読んでいた。

ユミルは60年以上前に、孤児だったころに「ユミル」の名前を与えられ新興宗教のみこしとして使われていたが、マーレ当局につかまり、楽園送りにさせられた元巨人だった。

60年悪夢を見ていた状況で巨人をしていたが、パラディ島に侵入したライナー、ベルトルトそしてもう一人の巨人の持ち主を襲い、その一人を食べたために、9つの巨人を継承して、人間に戻ったのだった。

女王ヒストリアや兵団、革命軍政は、グリシャの持っていた情報を会議にかける。

「始祖の巨人」がその真価を発揮する条件は王家の血を引くものがその力を宿すこと

しかし王家の血を引くものが「始祖の巨人」を宿しても145代の王の思想に捕われ

残される選択は自死の道のみとなる

おそらくそれが「不戦の誓い」

とハンジは説明します。

壁の中のエルディア人たちがマーレの侵攻を防ぐためには始祖の巨人の力を使うことが一番はやいがそれはシステムとして抑止されている状況だった。始祖の巨人は抑止力でしかないということなのだ。

しかし、過去にエレンは「無垢の巨人」を操り窮地を逃れたことがある。

王家の血を引かないエレンでも理由はわからないが始祖の巨人の力を使える可能性があるとハンジは言う。

エレンはその時のことを思い出す。

あのときは、母を食べた女の巨人を殴ったあとだったことを。

女の巨人は、ダイナ。つまり王家の血を引く者だったではないか!

しかし、ダイナだった巨人はほかの巨人にくわれてすでに存在しません。

エレンが「始祖の巨人」を扱う条件に、巨人となった王家のものと接触するということだとしたら、ヒストリア女王を巨人にする必要があることになります。エレンはこの考えを自分だけの心にしまい込みます。

会議でヒストリア女王は、こうした真実を全国民に公開することを決めました。

100年前に奪われた記憶と歴史を100年後にエルディア人に返したのです。

その後、勲章の授与式で、エレンは女王ヒストリアの腕にキスをして接触しました。

その瞬間、父のグリシャと前代の「始祖の巨人」の器だったヒストリアの姉が、対峙する場面が記憶として流れ来ました。

グリシャ「私は壁の外から来たエルディア人 あなた方と同じユミルの民です。

壁の王よ!

今すぐ壁に攻めて来た巨人を殺してください!

妻や子供たちが!

壁の民が食われてしまう前に!」

グリシャの言葉を聞いた姉は一度目をつぶると、決意を秘めた光とともに目をあけます。

この後、グリシャの「進撃の巨人」と壁の王の「始祖の巨人」が戦うのですが、始祖の巨人が敗北しました。

壁の王の父は、無敵のはずの始祖の巨人が負けたのは、彼女が経験不足だったからと理由を説明していましたが、どうやら彼女は壁の民を救うために、不戦の誓いをはずす最後の手段として、王家から始祖の巨人を別のユミルの民に渡すためにわざと負けたように見えました(これは私の感想なので、いずれ明らかにされることでしょう)

1年後、ウォール・マリア内の巨人はすべて掃討され、シガンシナ区への入植が始まりました。

壁が突破されてから6年が経過しています。(エレンの命は残り7年)

調査兵団はウォール・マリアのさらに外に出て、「海」を目指して調査にでかけます。

巨人たちは人間を求めて集結する習性があるので、ほとんどがウォール・マリア内に集まっていたために、島内に巨人はほぼ全滅したのです。

兵団たちははじめて海を見ます。

この島の果てについたのです。

巨人もすべていなくなり、人類は勝利しました。

しかし、真実の歴史を知った今、それは本当の勝利ではありませんでした。

エレンは言います。

「壁の向こうには海があって

海の向こうには自由がある

ずっとそう信じてた

でも違った

海の向こうにいるのは敵だ

何もかも親父の記憶で見たものと同じなんだ

なぁ?

向こうにいる敵

全部殺せば オレ達

自由になれるのか?」

この世に真の自由は存在するのか?

重い命題を突きつけられて、この壮大な物語の第一部ともいうべき壁の中編は幕をおろします。

23巻からは時間が数年経過し、さらに場所はパラディ島ではなくマーレの大陸に移ります。

続きは↓

進撃の巨人23巻ネタバレあらすじ ライナーが主役?!の新章がはじまる - 歴史ニュースウォーカー

 

進撃の巨人(23) (講談社コミックス)

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進撃の巨人(22) (週刊少年マガジンコミックス)

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