読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

歴史ニュースウォーカー

歴史作家の恵美嘉樹が歴史のニュースや本の世界を歩く記録です

日本初の神様「天御中主大神」(アメノミナカヌシ)は地球創生の物語?【日本最強神様選手権エントリーNo3】

日本最強の神は誰か?
つづきましては、

id:hesocha さん「現れるなり隠れる超絶照れ屋「天御中主神」は名前だけは強そう」

とのコメントにお答えしたところですが、コメントにあるように天御中主神(アメノミナカヌシ)はほとんどエピソードなし。

しかし、古事記ではもっとも早く登場する神様なのです。

三浦佑之さんの「口語訳古事記」から引用させていただきますと

天と地がはじめて姿を見せた。その時にの、高天の原に成り出た神の御名(みな)は、アメノミナカヌシじゃ。次にタカミムスヒ、つぎにカムムスヒが成り出たのじゃ。この三柱のお方はみな独り神での、いつのまにやら、その身を隠してしまわれた。

漢字にするとこのようになります。

天御中主神(1)

高御産巣日神(2)

神産巣日神(3)

独り神というのは、このあとのイザナギ・イザナミのように男女にわかれる前の状態の神様です。結婚相手がいないので、うまれてもただ消えていくのみです。

その後も名前だけの神様がわいてでます。「湧いて」というのは失礼ですが、そうした登場と消滅を繰り返すのです。

泥から生まれたウマシアシカビヒコヂ(4)

天で生まれたアメニトコタチ(5)

ここまでの5柱を「別天つ神(ことあまつがみ)」と古事記は呼びます。

続いて、

クニノトコタチ(6)、トヨクモノ(7)

ここまでが独り神です。

そしてとうとう男女の神が登場します。

ウヒヂニ・スヒヂニ(8)は、兄と妹です。

ツノグヒ・イクグヒ(9)、これも兄と妹(以下同文)

オホトノヂ・オホトノベ(10)

オモダル・アヤカシコネ(11)

そしてそしてついに生まれますのが我らがカップル!

イザナギ・イザナミ(12)です。

兄と妹をひとまとめにするのか!と、シスコンサイドからはおしかりを受けそうですが、古事記がそうカウントしているのでお許しください。

古事記では、さきの5柱を「別天つ神」そして、クニノトコタチ(6)からイザナギ・イザナミ(12)までを、カップルは一つとして数えて「神世七代」(かみよななよ)と呼んでいるのです。

古事記の世界観のすごさは、人間的な物語がはじまる以前のこの部分かもしれません。

ビッグバン前を思わせるようななにもない世界からビッグバン、太陽系、地球が生まれる様子を表現する、別天つ神。

地球が冷えて海や地面が生まれていく様子を表現するクニノトコタチ(国之常立神)や豊雲野神。

そして性別のない単細胞生物がうまれ、性別のある恐竜(ウヒヂニ兄妹あたり?)や哺乳類(オホトノヂ兄妹あたり?)へと進化していき、イザナギ・イザナミという人間(もしかしたら類人猿くらいの年代?)が登場するという、科学的な生物の進化を表現している(ようにもみえる)のです。

 

 

 

口語訳 古事記―神代篇 (文春文庫)

口語訳 古事記―神代篇 (文春文庫)

 

 

日本の神様と神社-神話と歴史の謎を解く (講談社+α文庫)

日本の神様と神社-神話と歴史の謎を解く (講談社+α文庫)