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歴史ニュースウォーカー

歴史作家の恵美嘉樹が歴史のニュースや本の世界を歩く記録です

【まとめ】日中の近代史から対中外交の決め手を探る対談【文芸春秋1月号】

 2012年12月13日、中国の飛行機が初めて尖閣諸島に領空侵犯しました。
 いったい、あの国はなにを考えているのか。彼らにはどうやって対処すべきか。強硬な北風?それとも受け身の南風?
 みなさんも色々考えていると思いますが、『文芸春秋』2013年1月号で、それのヒントになる対談がありました。

文藝春秋 2013年 01月号 [雑誌]

文藝春秋 2013年 01月号 [雑誌]

  • 「対中外交」はなぜ失敗するのか大座談会

 
 山内昌之・東大名誉教授、井上寿一学習院大教授、佐藤優元外務省らによる日中の近代史を振り返る対談です。

以下、まとめてみます。

中国という国が「中国3000年」というひとくくりの連続した文化としてしまう弊害を説いていますが、この見方は重要です。
「漢字が作り上げた幻想」とは、アジアの歴史を考える上で、大切なキーワードだと思います。

 そもそも「中国」というひとつの国が歴史上変わらずにあり「中華民族」という一つの民族がある、と考えるのが間違いなんですね。それは漢字という文字が作り上げた幻想です。
 時代によって、支配民族も違えば、中心となる土地も違う。ヨーロッパであれば、同じ国の歴史とはみなされないでしょうね。

日中戦争・太平洋戦争へとつながる1930年代が、現代の日本と中国の関係によく似ているという指摘です。それも政治的だけでなく、経済的に、というのがポイントですね。

実は、戦前、日中間の対立が激化し始めた一九三○年代と経済的に似通った状況にあるんです。

一九三○年代も対中貿易はおおよそ(*現代と)同程度のウェイトを占めている。

当時の日本にとっても、中国の豊富な資源と安価な労働力は魅力的だったのです。

日本企業の大陸進出も盛んになりますね。それが中国では経済侵略とみなされ、中国各地で不買運動や抗日運動の原因ともなっていますが。


国際的な信義(恩を受けたら返す)に逆らって、国内世論に従って、強硬、孤立化の道を選択したことが日本の誤りだったことがわかります。

(*小村寿太郎外相は)決定的な判断ミスを犯している。それは、アメリカの鉄道王、エドワード・ハリマンが満鉄の共同経営を持ちかけてきたのを、にべもなく撥ねつけたことです。

ハリマンは日露戦争の戦時公債一千万円分を引き受けてくれた”恩人”です。

戦争以前に、通貨戦争で負けていた日本があったのでした。
痛恨の戦略ミスですね。これも国際的な孤立化がなせる悪手です。

 実は経済的に見ても、三五年までは中国をめぐって、米英と協調するチャンスはまだ残されていたと思います。
 この年、中国で法幣改革と称する通貨改革が行なわれます。
 
 このとき中国の財政顧問として法幣改革を主導していたイギリス財務省のフレデリック・リーズロスが九月に来日、広田弘毅外相、重光葵外務事務次官と会い、中国への共同借款を提案した。しかし、陸軍の意向もあり、日本はこれを断ってしまう。

 それどころか、華北工作によって傀儡政権を作り、円とリンクした連銀券を発行しました。国民党政府から独立させるため、
法幣を連銀券と交換し、回収してしまおうという思惑があったのです。

 ドル、ポンドに裏打ちきれた法幣、円で保証する連銀券。つまり、中国だけでなく、日本は米英に対しても通貨戦争を正面から挑んでしまった。
 しかし連銀券を使っても、法幣はほんの数%しか回収できず、通貨戦争は完敗。一方、国民党政府は英米を財政の後ろ盾にすることができた。のちに蒋介石は「抗日戦争が法幣改革以前だったら、中国はもっと早く敗れていた」と振り返っています。

当たり前に歴史を改竄する中国。これは本当に恐ろしいことです。
現代の常識が通じず、世界第二の経済大国なのに、歴史観はまったく「中世」のままなのだから。
尖閣問題でも「話せば分かる」とはなりっこないのです。

 遺物をあらかじめ埋めた上で、「ほら中国古来の領土だ」と領有権を声高に主張しているとも伝えられていますね。
 そうした行為を我々は「歴史の改竄」というのですが、彼らは「中国に関する遺物が発掘された」という最終的「決定事実」しか考慮しないわけです。

 これは近代以前の「事実」観といえるでしょう。欧米でも、たとえぱ中世の神学書を読んでいると、改竄につぐ改竄なんですよ。元のテキストからを勝手に書き換えてしまう。しかし彼らは、「神の思し召しによって誤りを訂正した」と考えていた。

 中国はすでに「沖縄」では「琉球」と呼んでいる。

日本の対中外交について、「日本のイタイ歴史に学び、中国を孤立化させて、日本は近隣諸国との蜜な関係、信頼感をつないでいくべき」と指摘します。
 

 今、中国は戦前の日本と同じ誤りを犯そうとしているのではないでしょうか。南シナ海東シナ海で積極的に領土紛争を仕掛け、覇権を握ろうという海洋戦略をとっている。尖閣問題はその一環なのです。
 しかし、これは、アメリカの海洋覇権に対するチャレンジ以外の何物でもありません。

 重要なのは、昭和前期のように中国と単独で向き合うという過ちを繰り返さないことです。

 とにかく今、中国は周辺諸国のほとんど全てにケンカを売っている状態ですね。
 日本は、中国が国際的孤立の一途をたどっていることを上手く利用すべきでしょう。

とても勉強になる対談でした。

中国が歴史を改竄するなら、日本は歴史に学ぶという王道を行くのが、遠回りでも、確かな道といえそうです。

安倍首相もぜひ読んでほしいですね。(ちなみに、この対談の次が安倍新w首相の寄稿=ゴーストライターの可能性高い)

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