ようやく本気を出してきた「王羲之展」主催の毎日新聞 #王羲之
王羲之の正確な模本が発見されたのは、現在、東京国立博物館で開催している「書聖 王羲之」に伴う調査でした。
それなのに、主催者の毎日新聞がひっそりと報道していたのが印象的だったのですが、ようやく本気になってきたようです。
2月には行くつもりですが、意外に空いているのでしょうか?
全部引用したいくらい、なかなか面白い記事です。
中国・東晋時代に活躍した王羲之(おうぎし)(303?361、異説あり)は「書聖」と呼ばれているが、その肉筆(真筆)は戦乱などを通じて失われ、現在は世界中で一つも残っていない。羲之の字姿は、どうやって伝えられてきたのだろうか。
(略)
摸本には臨(りん)、摸(も)、硬黄(こうこう)、響搨(きょうとう)の4種類があったとされる。中国・宋代の文献「游宦紀聞(ゆうかんきぶん)」によると、「臨」は原本を見ながら、字形をまねて書く。制作者の個性がどうしても出てしまう。
同じ摸本でも最も精巧とされるのが「響搨」で、その技法が双鉤填墨(そうこうてんぼく)と呼ばれる。正確には分かっていないが、原本の上に紙を置き、光を当てて字姿を浮かび上がらせ、輪郭の当たりをつけ、その後に筆を入れたと考えられている。
東京国立博物館列品管理課長の富田淳さんは「部位によっては、髪の毛ほどの極細の線を重ねて原本の筆の動きを精巧に再現している。単純に墨で輪郭の中を埋めていくのではなく、超絶的な技巧を駆使しているのです」と解説する。