伊勢神宮の式年遷宮で新調される太刀の飾りに佐渡ではなく石川のトキの羽根が使われた理由【画像あり】
今年20年に一度の式年遷宮の伊勢神宮に奉納される神宝に、石川県のいしかわ動物園で飼育中のトキの羽根が使われることになりました。
伊勢神宮では、式年遷宮で建物だけでなく、神宝も新調するのがならわしです。
使われるのは、神宝の「須賀利御太刀(すがりのおんたち)」です。
きょう(2013年1月21日)の読売新聞(ネットには未掲載)によると、この太刀は、平安時代の法令「延喜式」で、柄にトキの羽根をまとまわせるように記されているそうです。
ざっと延喜式を見ると、
伊勢神宮に仕えるための皇族の女性「斎宮(さいくう)」が都から伊勢神宮に近い斎院に初めてはいるときに持っていくものに
鳥装大刀2口
とありますが、そのことでしょうかね。トキとは明記されていませんが、あとでよく見てみます。
と、思ったら、ありました。トキは朱鷺でも鴇でもなく、
古名は「鴾(つき)」でした。
スガルは、「須く我れ流れる」なんですね。こっちのほうがかっこいい。
神宝21種の説明の中に
須我流横刀一柄
柄の長さ六寸
サヤの長さ三尺
そのサヤには金銀泥を使って模様を描く
柄には、鴾の羽をまとう。
とありました。
ご存じのとおり、日本には日本産のトキは絶滅して存在しません。今、繁殖しているのは中国からもらったトキです。
前回の20年前も、そして40年前もトキはほとんどいませんでした。
そのため伊勢神宮では、過去2回の式年遷宮で、、石川県に住む日中朱鷺保護協会名誉会長の村本義雄さんが昔から収集していた羽根をゆずってもらっていたそうです。
今回も、「純日本産」としては村本さんの持っているものがあったのですが、すでにかなり色あせたために、
現在、佐渡などで繁殖中の羽根(もちろん自然に落ちたもの)を使うことになりました。
なぜ、佐渡ではなく、いしかわ動物園で飼育しているトキが、この栄誉に預かったかとういと、この村本さんという縁があったからなのでした。