歴史ニュースウォーカー

歴史作家の恵美嘉樹が歴史のニュースや本の世界を歩く記録です

ザワザワ、『歴史読本』がいつの間にか横書きにリニューアルしていた!

 歴史月刊誌『歴史読本』がいつの間にかリニューアルしていました。今売っているのは、7月号(2013年5月24日発売号)ですが、6月号から刷新されたそうです。
 研究者によるちゃんとした小論文や史料報告などもあり重宝する雑紙ですが、わら半紙みたいな茶色い紙が特徴でした。正直読みにくい。それが白い紙になっています!それにともなってでしょうか65円値上がりしております(笑)1155円。

 あとは、表紙のコピーが縦書きから横書きに変わっています。「ムムム」と思うけど、正直見やすいです(本文はちゃんと縦書きです。ご安心を)

 7月号の特集は「山本覚馬 会津近代化の先駆者」ということで大河ドラマからみです。あとは、「新撰組結成150年記念企画」。こっちを特集にしたほうが売れそうですけど。

 もちろんリニューアルの目的は、読みやすくして読者層を広げることです。
 そんな流れの一つに『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?(光文社新書)』の公認会計士山田真哉さんが連載を始めています。
 山田さんは当ブログでも紹介しましたが、歴史学科卒業から会計士に転じた、「史学科つかえねぇ!」のイメージを脱却してくれる歴史界の星です笑
 歴史の本をこれまで2冊だしていますが、歴史読本という一般向けの歴史雑紙では固めの雑紙に連載を持ってくれることはうれしいですね。


 
 連載は「日本全国66か国 地域産業ルーツの旅」というタイトルです。最初は安芸国広島県)。
 命題は「なぜ広島は中国地方の中心なのか?」
 そうなんですよね。古代においては中国(瀬戸内海側)の中心は吉備(岡山県)。広島県は吉備が分割してできた備後と安芸の2つの旧国が合併している県ですが、どうしてなんでしょう?私もなんとなく疑問に思っていたことです。

 経済発展の基盤となるはずの広い平野が、広島には存在しない。人口の割に可住地面積が小さいため地価は高いことで有名である。
 港湾も経済発展の基盤として重要である。しかし、(略)広島港を見てみると、輸出額は水島港に次ぐ中国地方第二位、輸入額は徳山港や福山港などにも抜かれ第6位である。
 どうやら広島が中心地である理由は、土地でもなければ港でもないようだ。
(略)
 広島が中国地方の中心地となったのは、明治時代に臨時首都となりうるほどの軍都となったことが契機のようだ。

 としています。なんで軍都が広島になったのでしょうか。岡山と引っ張り合いとかあったのでしょうね、きっと。

 古代史好きの恵美嘉樹としては、古墳時代にヤマトにたてつき、3分割された吉備の呪縛が今も底流に流れているのでは〜と想像しています。

大塚初重連載も

 また、前号からは明治大の考古学者大塚初重さんが「歴史を塗り替えた日本列島発掘史」という連載をしています。

 あと、今回のリニューアルの前もどうだったか覚えていませんが、4月に報じられたニュースの解説が載っています。
 「松平容保の義姉照姫が東京に護送されたときの名簿史料」(読売新聞文化面4月10日掲載)
 「フルベッキ写真」の撮影年代が特定された(読売新聞文化面に4月24日掲載)
 という二つの新聞記事の元ネタの人たちがさらに詳しく史料や考察をしてくれています。雑紙のスケジュール的にかなり厳しかったと思いますが、これはすなおにすごいですね。

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