歴史ニュースウォーカー

歴史作家の恵美嘉樹が歴史のニュースや本の世界を歩く記録です

今週の新聞書評から歴史本抜き出し!・・・いまいち

 先週はたくさん歴史本があったのですが、今週は不作ですね。

一番よかったのは、読売新聞の福島大の開沼博さん書評の『漁業と震災』。
 被災地で問題となっている人口減や雇用、経済などが、実は震災が原因ではなく、もっと前からあったこと、という一種のタブーについて触れています。そうなんですよね。震災が加速させた面はあるでしょうけど、「復興」しても仙台にはなれないという現実は、厳しいですけど、どこかで知っておかないといけないと思いました。書評としては2冠(2紙目)。

 

 一番ひどかったのは、朝日新聞柄谷行人さんが書評した『褐色の世界史』。柄谷さんの自分語りが多くて書評としてはなんだかなぁです。柄谷さんくらいの大物になれば、自分のこと語る必要ないと思うんですがね。

 朝日新聞の『「八月の砲声」を聞いた日本人 ― 第一次世界大戦と植村尚清「ドイツ幽閉記」』は2冠目ですね。

第一次世界大戦は民間人が戦地で抑留される始めての戦争だった。異邦の地で突如拘束された日本人はどのように振る舞ったのか(アマゾン内容紹介より)

 千倉書房って下のようななかなか骨太の本を出しているんですね。

 毎日新聞では内田麻理香さんが『日本の動物観』を書評。書評でも触れているように、表紙の絵がかわいい、なぜ表紙の絵を載せないのか毎日新聞の編集方針には理解に苦しむ。

 なんか歴史本はイマイチでしたが、脳科学の超面白い著者ラマチャンドランの新作『脳のなかの天使』が朝日と日経に同時書評です。

 これは読みたいけど、まずはもう一度、『脳のなかの幽霊』を読み返してみよっと、中身だいぶ忘れちゃったんで。そもそも『脳のなかの幽霊 ふたたび』をまだ読んでない。ラマちゃんのような書き方で歴史を説明するのが恵美嘉樹の目標です。

 まだ『脳のなかの幽霊』を読んだことなければ絶対読んだほうがいいです。文庫もあります、ぜったいどこの図書館にもあるはず。

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