歴史ニュースウォーカー

歴史作家の恵美嘉樹が歴史のニュースや本の世界を歩く記録です

歴史娯楽小説の大家「吉川英治」の今年の賞に選ばれた歴史ものは、戦国時代の短編集「国を蹴った男」でした

第47回の吉川英治賞がきのう(2013年3月4日)決まりました。

吉川英治さんといえば「三国志」や「宮本武蔵」など歴史小説で有名です。

今回受賞したのは、
小池 真理子『沈黙のひと』 (文藝春秋刊)です。

 幼い頃に家を出て、新しい家族を持った父は晩年パーキンソン病を患い、最期は口を利くこともできずに亡くなった。遺された手紙や短歌から見えてくる、後妻家族との相剋、秘めたる恋、娘である「私」への想い。父の赤裸々な「生」を振り返ることで、生きる意味、死ぬ意味、そして、家族という形のありようが見え、物語世界に光が差し込んでくる──。
 恋愛小説を中心に、濃密な心理描写で知られる作者の新境地ともいえる本作中に引かれた短歌は、亡くなられた作者の実父が実際に詠んだもの。作者の「何か不思議な力が書かせた作品で、私にとっての生涯の勝負作です」との言葉の通り、心の奥底を静かに、深く揺さぶる傑作です。(内容紹介)

という内容です。歴史ものではないですね。


一方、第34回 吉川英治文学新人賞は、歴史ものの
伊東潤『国を蹴った男』 (講談社刊)

こちらは、書影をみても分かるように戦国もの短編集です。

 不条理な世を渡る武器は、気骨と果断。利に生きるか、義に死すか。敗れざる者たちの魂の咆哮。”豪腕作家”の凛然たる戦国小説集。

 いま、もっとも注目される歴史作家が満を持して放つ! 不条理な世を渡る武器は、気骨と果断。利に生きるか、義に死すか。武田信玄上杉謙信織田信長豊臣秀吉――天下に手を伸ばした英雄たちの下、それぞれの一戦に臨む者たちの、生死の際を描く
(アマゾン内容紹介より)

 おー、面白そう。

 もう一つの新人賞は、近未来警察もの
月村 了衛(つきむら りょうえ) 『機龍警察 暗黒市場』 (早川書房刊)

 警視庁との契約を解除されたユーリ・オズノフ元警部は、旧知のロシアン・マフィアと組んで武器密売に手を染めた。一方、市場に流出した新型機甲兵装が“龍機兵(ドラグーン)”の同型機ではないかとの疑念を抱く沖津特捜部長は、ブラックマーケット壊滅作戦に着手した―日本とロシア、二つの国をつなぐ警察官の秘められた絆。リアルにしてスペクタクルな“至近未来”警察小説、世界水準を宣言する白熱と興奮の第3弾。


このほか、本ではなく、文化活動におくられる「第47回 吉川英治文化賞」には、

夜間保育園を続けて30年、小学生対象の学童クラブも創設した片野清美さん

炭を使った土壌改良、環境改善型農業を世界中に指導する杉浦銀治さん

紙飛行機の設計・開発を通して科学の楽しさを伝える二宮康明さんの3氏が選ばれました。パチパチ。

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