氷河期を生きた旧石器人は洞窟に「床暖房」「遠赤外線ヒーター」を作って氷河期を乗り切った?
長崎県佐世保市の洞窟(福井洞窟)から、約1万8千年前、つまり縄文時代の前の氷河期を生きていた旧石器人たちが、石を敷いて床を設置し、火をたく場所を固定=「炉」までも置いていたことが分かりました。市教委がおととい(2012年12月18日)発表しました。
日本最古の「家」と言いたくなりますが、なんといっても、旧石器時代の家(竪穴住居跡)として大騒ぎされた秩父石器人は、例の旧石器捏造によって「創造」されたものと判明しております。
それだけに、旧石器遺跡については、発表、即OKとはならないのが冷たいようですが現実です。
縄文考古学の大家、小林達雄さんは西日本新聞に「石敷きは湿気を防ぐためで、上に草を敷いていた可能性もあり、移動しながら生活したこの時代から住居が工夫されたことがうかがえる」とコメントを寄せていて、湿度を管理していた、というのは魅力的ではあります。
また、石の床と炉がほぼ同時期のように思いがちですが、床は「1万8000年前より古い」、炉は「1万6000〜8000年前」とずれていて、セットではなかったようです。
この年代から、気になるのは、むしろ炉のほう。いま、縄文時代のはじまりはどんどんさかのぼっていて、青森で最古の縄文土器が見つかっています。その年代も「1万6000年前」くらいです。
かつて土器は、氷河期がおわって温暖化したことで、ドングリがたくさん生え、それを煮沸するために発明されたとされてきました。
つまり、環境の変化があって、人間はそれに対応したと。
ところが、近年の研究で、縄文時代のスタートが氷河期中(これまでは旧石器時代とおもっていた)だったことが判明したのです。
青森だけでなく、遠く離れた長崎でも、「寒い寒い」言いながら火を絶やさないようにする工夫をする中で、長崎では炉をつくり、青森では偶然、土を火に落として土器を発明したのかもしれません。
旧石器人も住居にこだわり? 佐世保・福井洞窟に「石敷き」 / 西日本新聞
ソースURL: http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/339578
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