ドイツの博物館で飛鳥時代に作られた法隆寺流出の伎楽面が見つかる
法政大学が、ドイツのミュンヘン州立民族学博物館で、法隆寺から明治時代に流出した飛鳥時代〜平安時代の古い伎楽の面が確認しました。この博物館は、アジア・アフリカなどのいわゆる先住民族のコレクションが充実していることで知られています。
きっと法隆寺の面も、民族的なお祭りの面と思われたのでしょうね(実際、お祭りに使うわけですが)。
伎楽というのは、中国大陸発祥の無言の仮面劇です。中国南部の呉で学んだ朝鮮半島の百済の人が、飛鳥時代の推古天皇の612年に日本へ紹介したのがはじまりです。
法隆寺流出の文化財は、現存世界最古の印刷物としてしられる経典「百万塔陀羅尼(だらに)」も有名です。コレクターの方の家や会社にはちょこちょこ飾ってあったりします。
法隆寺流出といっても、だれかが盗み出したり、ハッキングしたのではなく、法隆寺みずから売ったものです。
なぜそんなことをしたのかというと、廃仏毀釈で、お寺はどこも困窮状態になり、生計のために文化財を切り売りしてしのいだのです。法隆寺が悪い? いえいえ、悪いのは明治維新の維新政府です。
平成維新が実現されれば、こういう負の歴史も繰り返されるんでしょうかね、、、
法政大学は17日に行う国際シンポジウム報告会「ヨーロッパの博物館・美術館保管の日本仏教美術コレクションと日本観の形成」でも発表するそうです。
今回のお話は、
11:20-11:40
ヨーゼフ・クライナー(法政大学国際戦略機構特別教授)
「ヨーロッパにおける日本美術のコレクションの歴史と現状」
もしくは
16:30-16:50
ヨーゼフ・クライナー
「思わないところで日本仏教美術にであう」
のようですね。
詳細は↓でどうぞ
http://hijas.hosei.ac.jp/tabid/1098/Default.aspx
朝日新聞11月11日朝刊(HPなし)より
(略)
明治初期の廃仏毀釈の時期に法隆寺から流出したとみられる欧州にある日本の仏教美術を調査した法政大チーム(代表ヨーゼフ・クライナ特別教授)が2月、同博物館の収蔵庫でいずれも1部が破損した1点を確認した。博物館の記録によると、ドイツの民族学者エルンストグロッセの所蔵品で、1928年に博物館に収められたという。
神野祐太客員研究員が素材を分析した結果、2点は現存する法隆寺の伎楽面の多くに使われたクスノキと判明。形の特徴や制作技法も同じだった。仏像や仏具でクスノキの使用は奈良時代以前の特徴とされる。
さらに、6点は面の裏に「法隆寺伎楽面」などの文字があり、調査で明治時代に岡倉天心らと文化財調査をした彫刻家加納鉄哉が記したものと判明した。
分析結果に基づき、法政大チームは「クスノキ材の2点は飛鳥時代に作られた法隆寺の伎楽面の可能性が高い」と判断。ほかの面についても、平安時代以降の舞楽面とみられるものも含めて法隆寺の伝来品ではないかとみている。
法隆寺伝来の伎楽面は国内に32点現存し、国の重要文化財となっている。
(略)
=写真は朝日新聞の紙面
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