歴史ニュースウォーカー

歴史作家の恵美嘉樹が歴史のニュースや本の世界を歩く記録です

日本で4番目に銅鐸が多い県はどこ?ほか安部公房、アインシュタイン、会津の農具コロバシとは?【画像】

  • 作家、安部公房が終戦直後の引き揚げ船で描いた「天使」とはなにものか?

 「砂の女」などで有名な安部公房(1924〜93)がデビュー前に書いた幻の短編「天使」が発見され、今月の月刊「新潮」12月号で発表されます。
 弟の家に残っていたそうです。
 このニュースは各新聞一斉にけさ報じていますから、当然、新潮社のリークです。それならそれで、ちゃんと新潮のHPも更新してもらいたいものです。(今朝7日にみた時点では7日発売なのに、まだ11月号が最新号として載っています。アマゾンには載っているというのに・・・)
 http://www.shinchosha.co.jp/shincho/newest/

新潮 2012年 12月号 [雑誌]

新潮 2012年 12月号 [雑誌]

安部公房:幻の短編 生命への肯定つづる「天使」 終戦翌年、引き揚げ船で執筆
毎日新聞 2012年11月07日 東京朝刊
http://mainichi.jp/feature/news/20121107ddm012040084000c.html

 「砂の女」「他人の顔」などで知られる作家、安部公房(1924〜93年)がデビュー前に書いた、未発表の短編小説が見つかった。終戦の翌1946年秋、満州(現中国東北部)からの引き揚げ船内で書かれたとみられ、人間の根源的な狂気や不安を、高い言語感覚で描いている。後年ノーベル文学賞候補ともされた作家を知る上で、貴重な発見と言えそうだ。

 札幌市内の安部の実弟宅で見つかった。タイトルは「天使」。精神を病んだ主人公が天使となって病室を抜け出し、妄想の中で天使の国をさまようという内容だ。
(略)
 原稿はA5判ノートに黒インクで縦書きされ、全37ページ。訂正の跡が少なく、清書とみられる。安部が当時、東京大医学部の後輩に宛てた書簡には執筆中の小説「天使の国」に触れた箇所があるが、実物はこれまで確認されず、「幻」の作品だった。

 執筆当時、安部は22歳。文芸評論家の加藤弘一さんは本作について「ここには生命への肯定がある。シニカルで論理的な面を強調されてきた作家の、ヒューマンな一面が読み取れる」と指摘。
(略)
 「天使」は7日発売の「新潮」12月号に掲載される。【棚部秀行】

砂の女 (新潮文庫)

砂の女 (新潮文庫)

 正倉院展で盛り上がる奈良で、また面白いニュース。アインシュタインが来日したときに泊まった超高級ホテル、奈良ホテルで弾いたピアノが修復されました。
 恵美も何回も奈良に行きましたが、奈良ホテルは敷居が高すぎていったことないです。「お茶くらい飲んだらいいよ、勉強になるから」とよく言われるのですが・・・
共同通信
http://www.47news.jp/CN/201211/CN2012110601001809.html

博士のピアノ、音色よみがえる 調律完了、奈良ホテル


 物理学者のアインシュタイン博士が1922年12月に宿泊した老舗ホテル「奈良ホテル」(奈良市)で演奏したピアノが、補修と調律を終えて、6日、ホテルに戻り、戦後初めて当時の音色がよみがえった。

 ピアノは1900年ごろのハリントン社製アップライトピアノで、アインシュタイン博士がホテル滞在中に演奏。終戦後に行方が分からなくなっていたが、大阪市交通科学博物館にあることが分かり、2009年にホテルに戻った。

 今年でアインシュタイン博士の宿泊から90年を迎えるのを記念しホテルが調律師に依頼。初めて本格的な補修を行った。

 補修と調律を終え「奈良ホテル」に戻ったピアノ。右奥は演奏するアインシュタイン博士の写真を持つ同ホテルの辻利幸営業企画部長=6日午後、奈良市

2012/11/06 18:26 【共同通信

  • 農具「コロバシ」会津で発見。korobashiって、いったい

 響きが面白い道具ですね。なにを「転ばす」んでしょう。

水稲農具「コロバシ」出土 若松の遺跡
福島民報 11月6日(火)8時48分配信
 会津若松市高野町の「西木流(にしきながし)C遺跡」(平安時代)から、コロバシと呼ばれる農具が出土したことが5日、分かった。県内初めてで、東北で3例目。
 コロバシは、丸太材を6角形に加工した農具で、牛馬などに引かせることで田んぼをならしたと考えられている。木材のため腐りやすく、出土例は少ない。
 川が流れていた流路跡から見つかった。水分が多く、土壌の粒子が細かいため空気との接触が少なく、腐敗が進まなかったとみられる。 
 長さ約110センチ、幅約25センチの大きさ。炭素に含まれる放射線を測定した結果、11世紀前半から12世紀中ごろの年代と確認できた。 
 発掘した県教委は「当時から水稲が盛んだったことを裏付ける貴重な資料」としている。 
 10日午後1時半から現地説明会が開かれる。コロバシは保存処理をしているため、見ることはできない。問い合わせは県教委文化財課 電話024(521)7787へ。 

  • 和歌山で弥生の銅鐸展

「同施設によると、県内では銅鐸が約40点見つかっている。全国で4番目の多さだ。」
へぇ、そうでしたか。

紀伊弥生文化の至宝」展:弥生の銅鐸紹介 来月2日まで−−和歌山・紀伊風土記の丘 /和歌山
毎日新聞 11月6日(火)16時20分配信
 県内で見つかった弥生時代の銅鐸(どうたく)を紹介する特別展「紀伊弥生文化の至宝」が12月2日まで、和歌山市岩橋の県立紀伊風土記の丘で開かれている。約140年ぶりに里帰り公開された銅鐸もあり、同施設は「非公開でなかなか見られない銅鐸が集まる貴重な機会」とPRしている。
 同施設によると、県内では銅鐸が約40点見つかっている。全国で4番目の多さだ。特別展では、県外の銅鐸も含む24点を展示。約140年ぶりの里帰りとなる「玉谷銅鐸」(高さ49センチ)はみなべ町で見つかり、明治時代に紀州徳川家東京帝国大学に寄贈した。日高川町道成寺付近で見つかった国内最大級の「鐘巻銅鐸」(県文化財、高さ113センチ)は、周囲が円形の装飾で縁取られている。
 このほか、武器をかたどった銅戈(どうか)や銅鏡、銅鏃(どうぞく)(矢じり)などの青銅器、鹿が描かれた土器なども展示している。
 小学生向け展示解説やクイズも企画。萩野谷正宏学芸員は「弥生時代紀伊半島は東西交流の結節点だった。日本最先端の技術や文化があった2000年前の和歌山の姿を伝えたい」と話している。
 月曜休館。午前9時〜午後4時半(入館は4時まで)。料金一般350円、大学生210円、高校生以下や65歳以上などは無料。問い合わせは県立紀伊風土記の丘(073・471・6123)。【久木田照子】
11月6日朝刊
最終更新:11月6日(火)16時20分

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