歴史ニュースウォーカー

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青森の湖でも津波の痕跡を調べる調査はじまる

 福井の三方五湖と同じ方法ですね。歴史界のネトウヨとして知られる、いや、環境考古学の国内第一人者の安田喜憲さんの研究グループです。

 伊達政宗の時代に、東北を津波が襲った慶長大地震の可能性のある堆積層も見つけたのだとか。 
 どうでもいいですが、この記者の名前「酒造」っていいですね。たぶん取材先で飲み放題なことでしょう。これで下戸なら大変な人生でしょうけど。

毎日新聞青森

津波:痕跡、湖底に 小川原湖の堆積物から年代特定、東北大グループが調査 /青森
毎日新聞 10月28日(日)11時10分配信
 小川原湖の底にたまった堆積(たいせき)物から、太平洋沿岸を襲った津波の痕跡を調べ、過去に起きた東日本大震災のような巨大地震を探るプロジェクトを、東北大の安田喜憲教授(環境考古学)らの研究グループが進めている。湖底の堆積物を使うと、従来より正確に年代を特定できることが特徴で、新しい手法として注目される。【酒造唯】
 地層の年代を特定するには放射性元素を使う方法が一般的だが、数十年の誤差があることが課題だった。小川原湖(最大水深25メートル)のような深い湖底には粘土と微生物の死骸が毎年の季節ごとに交互に堆積した「年縞(ねんこう)」という木の年輪のようなしま模様の層が残っている。津波があれば、年縞の中に津波で運ばれた堆積物が混入するため、しまの数を数えれば、津波が襲った年代が年単位で分かる仕組みだ。
 研究グループは今月19、20の両日、小川原湖底の堆積物を採取するため、より海側に近い湖の北部で長さ4メートルのボーリング調査を6本行った。このうち、水深18メートル地点で掘った1本では、数百年前とみられる堆積層から、細かい貝殻の破片が入った粗い砂の層が厚さ23センチにわたって混入しているのが見つかった。通常の年縞の層は厚さ1ミリ以下のため、この層は大洪水か、または津波によって運ばれてきた可能性が高い。安田教授によると、1611年の慶長の三陸地震による津波の可能性があるという。
 太平洋側で起きた大地震は、文献が少なく被害がよく分かっていないものも多い。研究グループは、採取した堆積物に含まれる物質を詳しく分析するなどし、津波の痕跡があるか調べる。安田教授は「太平洋側で起きた大地震の年代が正確に特定できれば、その周期性についても分かる可能性がある」と話している。
10月28日朝刊
最終更新:10月28日(日)21時17分

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