歴史ニュースウォーカー

歴史作家の恵美嘉樹が歴史のニュースや本の世界を歩く記録です

ちゃんとしていた元寇の船

 ここのところ、沈没した元寇の船が水中で発見されて、次々にニュースがうまれていますが、またもニュースです。
 元寇の船については、騎馬民族の元(モンゴル)は船を造ったことないので、高麗(朝鮮)に造船をまかせたが、やる気のない高麗人たちが適当に作ったので、神風=台風でひとたまりもなかった、と考えられてきました。
蒙古の襲来 (河出文庫)
 しかし、ちゃんとした二重構造の船がでてきたました。
 普通に考えれば、騎馬民族のモンゴル人たち(司令官クラス)は、海をわたるほどの船に乗ったことがないだけに、「適当に」作るのを見逃したはずもありません。
 元はれっきとした中国王朝ですから、ジャンク船ほか東シナ海を渡れるほどの造船技術は当然、持っていたと考えるべきでしょう。
 
 日本海というのは、じつは静かな海で、(冬は荒れます。でも太平洋はもっと荒れます)のですが、日本海のうち玄界灘は、冬と夏とかかわらず荒れています。そうした情報を高麗が隠せるほどモンゴルは甘い人たちではありません。
 

元寇船の底板、二重構造…粗製乱造でなかった?

読売新聞 10月10日(水)16時53分配信


元軍の沈没船の底板。右上の内装用と見られる板と二重構造に(10日、長崎県松浦市沖の水深21mで)=川口正峰撮影

 13世紀の元寇(げんこう)の舞台となった長崎県松浦市海底遺跡鷹島神崎(こうざき)遺跡」(国史跡)で、昨年見つかった元軍の沈没船の再調査をしていた琉球大と同市教委は10日、沈没船の底板が二重構造になっていたと発表した。

 韓国・新安沖や中国・泉州沖で引き揚げられた同時代の中国船には見られない特殊な構造になっているという。一方、陶器やレンガが散乱した場所の土砂を取り除いたところ、二重になった底板が見つかった。

 これまで、元軍壊滅の原因については、大量の船を急造したため簡易な構造になり、衝撃に弱かったとの見方もあったが、調査を主導した琉球大の池田栄史(よしふみ)教授(考古学)は「これまでに見たことがない構造。丁寧な組み方をしており、粗製乱造ではなかったのでは」と見解を示した。

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