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歴史ニュースウォーカー

歴史作家の恵美嘉樹が歴史のニュースや本の世界を歩く記録です

重要文化財にダンプで突っ込むのと無くしたことを20年隠していたことどっちが悪い?

みなさんはいかがですか?

ちょうどここ数日にあった二つのニュースです。

法隆寺のほうが知名度がありますから、この業者のダンプカーのほうが「悪」として知れ渡っていることでしょうが、知っていて隠していた公務員である前橋市のほうがずっと「悪い」のではないかと思うのは私だけでしょうかね。

 

www3.nhk.or.jp

 

法隆寺 重要文化財の門にダンプカーぶつかり一部壊れる
12月22日 21時02分

22日午後、奈良県斑鳩町法隆寺で、国の重要文化財に指定されている門にダンプカーの荷台がぶつかり、門の一部が壊れました。
22日午後3時40分ごろ、奈良県斑鳩町法隆寺で、74歳の男性の運転するダンプカーの荷台が、国の重要文化財に指定されている門「東院四脚門」にぶつかりました。この事故で、門の瓦屋根を支える部材の一部が割れたり、すれて傷がついたりしました。

警察の調べによりますと、ダンプカーは東院四脚門の壁に沿って幅4メートルほどの道を走っていたということですが、運転していた男性は「荷台が上がった状態のまま気付かずに走っていた」と話しているということです。

男性は法隆寺の境内で庭木のせんてい作業をしていて、切った木の枝などをダンプカーで運ぶ途中だったということで、警察が詳しい状況を調べています。

 

www.sankei.com

重要文化財の棟札紛失、20年間未公表 「見つかるのではないかと望みを…」前橋市

 

 前橋市は26日、群馬県や同市が重要文化財に指定している明治期建築「臨江閣」の棟札3枚を紛失したと明らかにした。築造年月や目的などを記した棟札は平成8年度の展示を最後に所在不明になっていたが、約20年間、公表していなかった。

 市は「誤って破棄した可能性が最も高い。申し訳ない」と陳謝。未公表だったことには「簡単になくしたと言うわけにいかない。見つかるのではないかと、かすかな望みを持っていた」と弁明した。

 市によると、戦前まで迎賓などに用いられていた臨江閣は本館と茶室が県指定、別館と渡り廊下が前橋市指定の重要文化財。3棟それぞれに棟札が残り、建物の一部として重要文化財指定を受けていた。

 棟札は高さ約1・2~1・7メートル、幅約20~30センチ。96年度に展示されていたが、その後行方が分からず、職員が探していた。

 

公務員の文化財の毀損で最大最悪の隠蔽事件といえば、なんといっても、国宝&特別史跡高松塚古墳飛鳥美人の劣化でしょう。

年間にして専従の職員が10人前後はいたとしたらそれだけで毎年1億円以上の費用をかけながら、劣化を見逃し、その状況を隠蔽して、記憶の限りでは少なくとも、その責任者らが刑事や民事の責任を問われたことはなかったように思います。

一方で、この法隆寺の門を傷つけたダンプカーの運転手や会社は、過失であっても、おそらく莫大な損害賠償を請求されることでしょう。