歴史ニュースウォーカー

歴史作家の恵美嘉樹が歴史のニュースや本の世界を歩く記録です

朝日新聞が吉田調書、吉田証言ともに誤報を認め謝罪

9月11日の朝日新聞社長の事実上の辞任会見で、この数か月の怒濤の動きは一つの山場を迎えたでしょう。

感慨深いのは、吉田調書です。

朝日新聞が5月20日に「吉田所長の命令違反で所員逃げ出した」との報道に対して、その日のうちに
3月15日の福島第一原発 吉田所長の退避指示を巡る朝日新聞と門田隆将本の大きな違い - 歴史ニュースウォーカー
というエントリーを書きました。

その時はもちろん、「朝日のスクープすげー」「新聞協会賞だ」とネットなどでも絶賛の嵐の中での小さな反旗でした。

上のエントリーで追記、追記を重ねているように、
6月になって、吉田所長に生前唯一報道機関やジャーナリストでインタビューをした門田隆将氏が反論のエントリーをブログで発表。
それをうけて週刊誌などが一斉に疑問視する報道を始める。
なんと朝日新聞は疑問の声に対して損害賠償をちらつかせて抗議文を乱発しました。
8月はじめに、直接は関係ないですが、いわゆる従軍慰安婦問題で「吉田証言」記事を撤回
しかし謝罪せずで、炎上。
8月中旬に
まず産経新聞が口火をきり、吉田調書を入手。これを受けて政府が近い将来の吉田調書公開を約束すると、NHK、読売新聞、共同通信(毎日も掲載)が、独自に入手して、次々に朝日誤報を指摘し、四面楚歌となりました。

そしてきのうとうとう政府が吉田調書をネットで公表したところ、(まさかネットで全文公開と思っていなかったのかもしれません)あわてて、誤報を認める謝罪会見を開きました。

これを機に、ちゃんとした新聞に生まれ変わることを期待します。

吉田調書を読む

ハフィントンポストが公開している調書で、
朝日誤報や「我々のイメージは東日本壊滅ですよ」など核心部分のPDF
http://big.assets.huffingtonpost.com/077_1_4_koukai.pdf

菅直人らを批判するシーンが入っているPDFはこちら
http://big.assets.huffingtonpost.com/077_2_koukai.pdf
何日、何時間も聴取をして、質問者と信頼関係ができて、さらに長時間の聴取のつかれもあって、べらんめいちょうで本音を話している様子がうかがえる。
初日(7・22)の質問のときは、菅直人に対して敬語をつかっている。
http://big.assets.huffingtonpost.com/020_koukai.pdf

12日に1号機が水素爆発して一時40人不明「私そのとき死のうと思いました」発言→その後、みんな現場にいこうとして感動する
http://big.assets.huffingtonpost.com/051_koukai.pdf