歴史ニュースウォーカー

歴史作家の恵美嘉樹が歴史のニュースや本の世界を歩く記録です

最古の文字が書かれた須恵器の意義と意味



石川県で、5世紀末の最古の文字「未」「二年」が刻まれた須恵器が見つかったと、発表され、各紙が20日、大きく報じています。「すわ、日本最古の文字か?」ともいわんばかりの報道ですが、「須恵器」という限定です。
そもそも須恵器というのは、5世紀からで、これまでの最古も5世紀末〜6世紀はじめなので、「最古」にそれほど意味があるわけではありません。
土器にかかれた最古の文字ということでは、むしろ弥生時代にいくつかあります。「土器最古」でもありません。

それよりも、これまで古墳時代の須恵器で文字がかかれていたのが2点だけでしたが、いずれもそれなりに長い文章でした。
それに対して、今回は単語だったということがじつは重要です。
というのも、こういう小さな傷みたいにみえるものは、全国でも多数あるからです。
今回も1977年に発掘されたものを再調査した結果わかりました。各自治体で、過去の遺物の見直しをすれば、この時代の文字が飛躍的に増えるかもしれません。

気になるのは、「未」「二年」にどういう意味があるのか、ですよね。
当時の発掘状況から推理してみました。(つづきはこちら