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歴史ニュースウォーカー

歴史作家の恵美嘉樹が歴史のニュースや本の世界を歩く記録です

最古の「いろは」文字が見つかる。「ひらがな」が生まれて数百年後の誕生?もしかして作者は後白河の師匠だったり【いろは全文つき】

 最古のいろはにほへと…という平仮名が書かれた最古の土器が再発見され、きょう(2013年6月27日)発表(写真は京都市埋蔵文化財研究所HPより)されました。

 京都市中京区の平安貴族邸跡から30年前に出土した平安末期〜鎌倉初期(12世紀末〜13世紀初め)の土器に、平仮名でいろは歌のほぼ全文が墨書されていたことが分かった。
 27日発表した京都市埋蔵文化財研究所によると、三重県で平仮名のいろは歌が9文字ほど書かれた土器(11世紀末〜12世紀前半)の破片が見つかっているが、ほぼ全文が判読できるものとしては国内最古。

 「いろは……」と書き始めたが、徐々に余白がなくなって最後の行は右端に戻って書いており、子供の手習いとみられる。

 なんかデジャブー、と思ったら、去年の11月に「最古級の平仮名(かな)」が見つかったということがありました。それも同じ京都で。

 そのときの文章は

 ひとにくしとお□はれ(人憎しと思われ)

 でした。

 こっちの「最古」は9世紀で、今回のは「最古」は11〜12世紀で、200年以上違うようです。

 「色は匂へど・・・散りぬるを…」と、かな47文字をつかって文章を作ってしまうという、スーパーな技が結晶化するまでに数百年の時間が必要だったってことになるんですかね。
 こういうだじゃれ的な言葉遊びって、平安末の、例の去年のNHK大河ドラマ平清盛」で出てきた

 「人間五十年〜」じゃなくて

  「遊びをせんとや 生まれけむ 戯れせんとや 生まれけむ. 遊ぶ子どもの声聞けば 我が身さへこそ ゆるがるれ〜
 と歌う後白河法皇で、おなじみの「今様(いまよう)」っぽい空気が漂っていますよね〜。
 
 今様というのは、もう忘れたと思いますが、当時のロックンロールです。後白河より数十年前の土器ですから、彼の今様の先生あたりが作詞したものだったりして。

 実際、いろは歌は今様という説もあるのですが、いろは歌=今様の関係は、これまで「そんなわけない」と否定するのが定説でした。が、この発見で、また注目されるかもしれませんね。

 この今様説を否定しているのは、今一部で話題の国史大事典です。

 国史大事典(定価20円以上)をひもといて「いろは歌」の項目を引用しますと、

 今様歌といわれるが、その関係は疑わしい。早くから、弘法大師空海の作という伝説が生まれたが、(略)音韻史的に見て、e>yeという変化によってア行とヤ行との「エ」の区別が失われた天暦年間(九四七―五七)までさかのぼることができず、(略)『口遊』(天禄元年(九七〇)撰)以後の作であることにほぼ間違いない。

 と書かれています。けっこう、攻撃的な項目です笑。なんで、今様でないかはちょっと分かりません。

 空海作という伝説が生まれたのは、この歌の内容が、仏典の「諸行無常〜」というお経を意訳したものと考えられているからです。最古の文献は、かたかなではなく漢字(万葉仮名=当て字)で書かれている承暦3年(1079年)の「金光明最勝王経音義」(最勝王経)です。
 最勝王経というのは、飛鳥時代天武天皇の時代には来日していたのが確実(日本書紀)な経典です。
 つまり、平安時代においては相当なクラシック。
 
 超訳 ニーチェの言葉みたいな雰囲気で、仏教をやさしく手取り足取り始めないと、貴族も庶民も振り向いてくれない(もっと楽な浄土信仰がはやる)という真言宗天台宗などの生き残り戦略の一つかなと、想像しています。


 なお、最古のかなのニュースについては、去年、こんなエントリーを連発していました。(写真が消えているのもありますがすみません)

 この最後のエントリーで「これは本当に最古のひらがな?」という疑問を提示しましたが、いまだ沸々と、むしろ疑いはふくらんでいます。

 というのも、その後、上野の東博での王羲之展を見たからです。
 中国のいにしえにも、どうやっても「かな」に見える書体があるんですよね。
 だから、王羲之の書が国内で発見されたときも、平安時代の「小野東風」の書とずっと勘違いされてきたのです。

王羲之エントリー】

いろは歌全文

 wikipediaにも載っているかもしれないけど、いちおう

 色(いろ)は匂(にほ)へど 散(ち)りぬるを
 我(わ)が世(よ)誰(たれ)ぞ 常(つね)ならむ
 有為(うゐ)の奥山(おくやま) 今日(けふ)越(こ)えて
 浅(あさ)き夢(ゆめ)見(み)じ 酔(ゑ)ひもせず

 紹介するのは、これしかないでしょう!

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