きょうは何の日?BL同人誌の元祖・天正遣欧少年使節団ご帰国の日およびガンツ最終回
きょうというか昨日(2013年6月19日)、ユネスコの世界記憶遺産に、伊達政宗がヨーロッパに送った慶長遣欧使節の関係資料(御堂関白記も)が指定決定となりました。
御堂関白日記おしの人は京都新聞
慶長遣欧使節おしの人は河北新聞
おめでたい場なので、こういうエントリーはひっそりと(衝撃の「日本3大偽物国宝」に認定されたのは、金印、頼朝、政宗(絡み) - 歴史ニュースウォーカー)。
天正BLミッション(ボーイズロングミッション)
で、きょうはその政宗使節団(1613年出発)の前の使節団の話です。
1590年のきょう(6月20日)は、安土桃山時代に、日本のイエズス会が企画した「海外留学制度」の留学生4人の帰国日です。
教科書では、天正遣欧少年使節団とかウイーン少年合唱団とか書かれているあれです。
1582年に長崎をたった4人は、九州のキリシタン大名3人の名代として選ばれました。(このときはまだ信長が生きていた)
その大名とは
大友宗麟、有馬晴信・大村純忠
少年たち4人は、
伊藤マンショ(大友の親戚、以下マッチョ)
千々石(ちぢわ)ミゲル(有馬と大村の親戚、以下チジミ)
が代表者で、副使として中浦ジュリアンと原マルチノが選ばれました。この4人のうら若きBL少年団に、おっさん宣教師や印刷術を学ぼうとした別のボーイズらが参加しました。
おらヨーロッパでアイドルになるだ
1582年2月に長崎を出版した船は、マカオ、マラッカ、そしてインドのゴア。ここがポルトガルのアジア経営の拠点です。そして1584年にポルトガルのリスボンに到着。でも、この時のポルトガルはスペインに食われていたので王様はマドリードにいましたので、移動。
で、王様は「えらい遠いとこから王子が来てくれた」と大喜びで大歓待が始まりました。3000人も付き添いをつけて国内を観光させたり、もう大変。
翌年には、ローマについて二人の法王(ちょうど滞在中に死んでしまいましたので)に会えるというビッグチャンスをものにしました。
彼らは「王子」という扱いだったので、「王子様王子様」と大人気で、グラビア本や同人誌が何十冊も刊行されました。(1585年中だけで最低でも48冊)これが日本のBL同人誌の原点であることは言うまでもありません。たぶん。
ウキウキだった王子たちですが、その頃、日本では秀吉が伴天連追放令を出してしまうし、後ろ盾の宗麟おじさん・純忠おじさんたちも死んでしまいます。そんなこともつゆと知らず……
そして1590年(天正18)6月20日、8年5か月ぶりに故郷の地に戻りました。(ベネチア市マルコ図書館文書)
一行は、日本の王様の秀吉に報告します。伊藤マッチョたちは秀吉の前でチェンバロやビオラなどのライブを敢行しました。しかし、ロックの響きも秀吉の禁教の心を動かすことはできませんでした。
おらやっぱり地元で海女になるだ
そこからは苦難の日々です。あの嵐ばりに大人気だったヨーロッパツアーも夢の跡、もはや光源氏なみに「過去の人」となってしまったのです。
マッチョたちは、聖職者の道を進みますが、王子だったマッチョは地方の王になることもなく、いなかの司祭として死亡。
チジミミゲルにいたっては、禁教の空気にびびって、さっさと逃げ出して、逆にキリストを迫害する手先となります。こういう生き方の人好きです、はい。
原監督の隠し子説もある原マルチノは、海外追放の刑。
中浦ジュリアンは、プリンセスプリンセスの名曲のオリジンであるとおもわれるのですが、ひとりゲリラ的に日本で布教を続けます。しかし、江戸時代になってもがんばっていましたが、とうとう捕まって、ついには長崎で逆さ吊りの拷問を受けて殉教してしまいました。
彼らは、キリスト教を日本に布教するという最大の目標は達せられませんでしたが、聖書を印刷するために生み出された印刷機や印刷術を日本に持ち込んだことで、現在の同人誌文化が生まれたことは間違いないと言えるでしょう。
追記ツイートでのこのエントリーへの反応いただきました
ありがとうございます。
この記事何かがおかしい RT @PetrusCasuiKibe: きょうは何の日?BL同人誌の元祖・天正遣欧少年使節団ご帰国の日およびガンツ最終回 - 歴史ニュースウォーカー (id:emiyosiki / @emiyosiki) http://t.co/lAAq3aDOYi
— なんとなく天正遣欧少年使節が学べるbot (@seminario_bot) June 21, 2013
ガンツおわった
きょう発売のヤングジャンプで人気連載「ガンツ」が最終回でした。
正直、最終回は「えーっ?」って感じもあると思いますし、クロノが二人に増えたあたりから〜とか色々あるんですけど、とくに前半戦の「マンガ凄い」と感動しっぱなしの思い出ありがとうございます。作者の方、お疲れさまでした。
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