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歴史ニュースウォーカー

歴史作家の恵美嘉樹が歴史のニュースや本の世界を歩く記録です

今週の歴史本書評をまとめたら、80%がアマゾンで在庫なし。ツタヤ化が著しいぞ、アマゾン!

 今週日曜日の新聞各紙で取り上げられた注目の歴史本をずらっとまとめてみました。今週分かったのは、アマゾンは新聞書評されるような本は在庫が全然ないということ(笑)。売れ筋しかおかないツタヤのようになっているようです。岩波文庫くらいそろえておいてよ・・・。
 5冊中4冊が在庫なし。アメリカに帰国してください。

ある老学徒の手記

 人類学者、考古学者として有名な鳥居龍蔵さんの自伝が岩波文庫で復刊です。読売新聞が書評。
 見所は、洋の東西、古今、文系理系を問わずある、学界の大物にいじめられる話しという。。。
 坪井正五郎さんに認められた鳥居さんですが、その後不和になり、いじめ抜かれます。恵美嘉樹は、マンガ「マスターキートン」の1話を思い出します。かっこよかったなぁ、キートン。

 鳥居龍蔵(1870─1953)は、学校にはなじめず小学校を2年で退学する。しかし、独学自修し、考古学・人類学を本格的に学ぶことを志して上京。帝国大学人類学教室標本整理係となり、そこからアジア各地の精力的な調査が始まる。困難な時代に国際的な業績をあげた稀有な民間学者の自伝。(アマゾン内容紹介より)

 しかし、アマゾン品切れですか。最近多いですね。ほかのネットショップでは在庫あるのに、アマゾンがないという。ジュンク堂楽天もセブン、ヨドバシも、いまはみんな送料無料ですからね、だんだん動いていくかもしれません。アマゾンは税金日本に払っていないというし。

千年災禍の海辺学―なぜそれでも人は海で暮らすのか

 東北学院大准教授と同大の震災の記録プロジェクトの編集。朝日新聞が書評。

 三陸沿岸を、地理的辺境としてではなく、危機に晒された生を生き抜く智慧が集積した文化的中心として捉え、強圧的な行政政策への対抗論理としての実践性と、災害リスクに対する脆弱性の吸収と回復力の保持を明らかにする。(アマゾン内容紹介より)

 予想しているような内容ではなく、難しい論文的なものかもしれませんが、「危機に晒された生を生き抜く智慧が集積した文化的中心」という視点が興味深いのでとりあえず注文してみました。楽天で笑

 これもまたアマゾン在庫なしですよ。書評されるとすぐ在庫切れって、、、

鉞子(えつこ) 世界を魅了した「武士の娘」の生涯

 未読ですが『武士の娘』 (ちくま文庫)という戦前、海外で英語で出版されて評判になった本がありまして、その作者の杉本鉞子さんを追ったノンフィクション。ということで、この本の面白さを知るには、2冊読まないといけなそうです。武士の娘は「き」の字にして寝るとか、どんな寝方だよ?!とすごく気になります。毎日新聞の書評。

 あの司馬遼太郎が知らなかった、というので、堂々と「未読です」と胸を張れますね笑。いや、もう知っていないとだめか。

 あの司馬遼太郎がその存在を知らず、一読して『福翁自伝』にひけをとらぬ内容、と驚嘆した自伝がある。
 1925年(大正15年)、アメリカで無名の日本人女性が英語で書き下ろした『武士の娘』が刊行され、その年のベストセラー・リストに載った。『グレート・ギャツビー』と並ぶ売れ行きで、異例の8万部が世に出た。
 著者・杉本鉞子は明治5年生まれ。父は長岡藩の筆頭家老で、司馬遼太郎の『峠』の主人公・河井継之助と幕末に対立し、藩の役職を追われたいわば没落士族である。維新後は、いわゆる武士の商法から零落する。
 それにもかかわらず、鉞子は厳しい教育を受け、10代で東京へ出てクリスチャンの学校へ通い英語を身につける。卒業後、浅草で教職につくのは、ちょうど樋口一葉が同地に移り住む頃だった。
 縁あって、アメリカ中部で美術商を営む杉本松雄に嫁ぐのが明治35年。しかし、42歳で寡婦となった鉞子は、二人の娘を養育しながらアメリカにとどまる決意をする。
 戦争をはさみ、『武士の娘』以降3冊の本を書いた鉞子は、昭和25年に息をひきとるまで日米の架け橋となった。アメリカでは有名人、日本では無名―忘れられた杉本鉞子の一生を描く。
(アマゾン内容紹介より)

鉞子(えつこ) 世界を魅了した「武士の娘」の生涯

内田 義雄 講談社 2013-03-26
売り上げランキング : 309
by ヨメレバ

 2冊ともアマゾン品切れ。もう・・・アメリカかえってもいいです・・・

亡びゆく言語を話す最後の人々

 ええ、もちろんこれもアマゾンには在庫ありませんとも。毎日新聞の書評。

朝日新聞で昨日(2013年5月14日)「方言の灯、震災が消す 被災4県143語が「危機」 話し手が避難や移転」という記事が載りました。

 東日本大震災の被災地で使われている方言の中で、消滅する可能性の高い言葉が143語にのぼることが、東北大学小林隆教授(方言学)の調査で分かった。文化庁は「方言は多様な地域文化の基盤」として、保存と継承に動き出している。

海外のケースとはいえこの本とのリンクするようで興味を持ったのですが、たぶん読まないだろうなあ。どうしようかなと躊躇気味。

亡びゆく言語を話す最後の人々

K.デイヴィッド ハリソン 原書房 2013-03-25
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四月七日の桜 戦艦「大和」と伊藤整一の最期

 戦艦大和とともに戦死した司令長官を巡るノンフィクション。最近は右も左も「おのれの思想」を言いたいがために都合のいい史料をピックアップする太平洋戦争の言説が蔓延していて、つかれるので、こうした人に焦点をあてた内容のほうが興味がわきます。
 

 山本五十六に最も信頼された男が家族を思うとき――司令長官として「大和」とともに沈んだ父。沖縄へ出撃した特攻機で散った息子。二人を追うように娘を残して逝った母。昭和20年4月7日から翌年9月までに、悲劇が立てつづけに伊藤家を襲う。ただし、伊藤が植えた桜は、今もその命日を忘れずに満開となる。
 新資料多数掲載。山本五十六から伊藤に宛てた未公開書簡・色紙、アメリカ国立公文書館から戦艦「大和」から発信された無線暗号の解読資料、戦死した父・兄から家族への手紙など。
 本書は、伊藤の家族愛、その独断により若者たち多数の命を救った面を中心に焦点をあてる。(アマゾン内容紹介より)

 これはまだアマゾンにありましたが、いわゆる書評本体で取り上げられたのではなく、「記者がえらぶ」という読売の小さいコーナーだったからでしょうかね。