歴史ニュースウォーカー

歴史作家の恵美嘉樹が歴史のニュースや本の世界を歩く記録です

平成25年4月22日(月)気になる歴史ニュース

福井県若狭町の県立若狭歴史民俗資料館で、4月26日からネイチャーで「世界最古級の魚調理したあと」とされた土器

 産経新聞

 県立若狭歴史民俗資料館(小浜市)は19日、若狭町の鳥浜貝塚などから出土した世界最古級の調理土器を26日から緊急公開すると発表した。今月11日、世界的に権威を持つ英科学誌「ネイチャー」の電子版に掲載されたばかりで「縄文のタイムカプセル」とも呼ばれる同遺跡の資料性の高さを裏付ける展示となる。5月19日まで。

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普天間基地で発掘調査問題が浮上。

 沖縄タイムス

 県・宜野湾市教育委員会が1997年から共同で実施している米軍普天間飛行場内の埋蔵文化財発掘調査の予備調査のうち、2010年に始まった遺跡の範囲を把握する「確認調査」が、対象となる102遺跡のうち4遺跡にとどまっていることが20日、沖縄タイムスの取材で分かった。
 基地への立ち入り許可に時間がかかるなど、米軍からの制約が多いことが理由。当初、確認調査は09年までに終わる予定だったが、同飛行場の返還合意から17年が経過した今も、終了の見通しは立っていない。5日に日米両政府が合意した22年度以降の普天間返還に伴う跡地利用にも影響しそうだ。(與那覇里子)

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「古代道路の謎」著者近江俊秀氏インタビュー

産経新聞

幹線道路網「駅路」は天皇による“列島改造”だった
7世紀、飛鳥時代に整備されたと伝えられる日本最古の幹線道路網「駅路」。その総延長は、東北から九州まで約6300キロ。道幅は最小6メートル、最大では30メートル(基底部)に及び、寸分の狂いなく何十キロもまっすぐに延びる。江戸時代に幕府が整備した五街道をはるかに上回る立派な道路だった。

 なぜ、古代にこれほどの道路が建設されたのか。古代道路の専門家である著者は「駅路建設は天武天皇による“列島改造”だった」と説く。当時の日本が目指したのは、強大な中央集権政府である律令国家だ。都と地方を結ぶ駅路のルートは、高度成長期に建設された高速道路の道筋と奇妙なほど一致している。「中央にすべての権限を集中させ、地方は中央から出向いた役人を置いて統治させる。そのためには、地方拠点と中央を最短距離で連結する道路が必要になるのは昔も今も同じ」。丘を削り湿地を埋め立てながら強引に直線を作ることにこだわったのは、律令税制の基礎である土地区画システム「条里制」を確立するために、まず土地の基準線が必要となったからだとする。