悲報!「武士の家計簿」の磯田道史が引退()! なので磯田道史著作特集!
松井秀喜選手も引退してすぐに国民栄誉賞をもらえたので、磯田さんにも文春栄誉賞が贈られることでしょうか。
毎週楽しみにしていた磯田道史さんの週刊文春の連載「古文書ジャーナル」が先週で終わっていました。。。ガーン
連載期間はわずか半年ほど。爆弾低気圧にふきとばされるサクラのごとくはかない連載でしたが、それだけにかなり面白かったです。
当ブログで取り上げたのは2回ぽっきり。(隕石は大人気エントリーになりました。感謝)
半年の連載じゃあ、本にならないだろうなぁ。
というわけで磯田道史(週刊文春から)引退記念で、磯田特集をしていきましょう。
武士の家計簿
なんといっても、デビュー作がベストセラーになった『武士の家計簿』(新潮新書)。歴史書が映画化されるという磯田作品ならではのナックルボールでした。
加賀藩の誤算用者(御算用者)という会計担当の武士が、自分の家計が破綻しそうになったので、家計簿をつけて、リストラしてみました、というお話です。
武士は食わねど高楊枝、なんて言葉はありますが、武士がどうやって給金やらその他の収入やらがあって、いったいどんな武士らしいことの支出していたのかが初めて判明したのでした。
支出的に多額で痛いのは、「お付き合い」ということ。だけど、それだけは削ることができないという不条理な世界。まあ武士のメンツというのは大変ですね。
最近キンドル版もでました。
殿様の通信簿
家計簿とくれば、次は通信簿ですよね(?)
庶民的な武士から、いってん、こんどは幕府がこっそり各地の大名の素行を調査した江戸版FBIファイルを解読しています。
水戸黄門は風俗通い(同行のくのいちの風呂をのぞきしていたのでしょうか)
忠臣蔵事件を引き起こした浅野内匠頭も女狂い(こちらは想定内)
などなど。まさかの短編小説まで!
これはあまり話題にはならなかったですが、じつはかなり面白い本ですよ。新潮文庫で500円は買い。
龍馬暗殺最終結論
「坂本を殺したのは……」
日露戦争真っただ中の明治三七年六月。岡山で没したひとりの老人が、死の床で家族にした重大な告白。
というミステリータッチで始まる、王道歴史ノンフィクションです。
今度は、日本史3大謎のひとつの龍馬暗殺がテーマです。(残りの二つは、邪馬台国の所在地と本能寺の変に黒幕はいたか、ですかね)
歴史学の世界では、実行犯は京都見廻り組ということで決着がほぼ着いています。
が、さらにその黒幕を、様々な史料などの物証そして、磯田節で外堀を埋めて、真犯人にたどり着きます。
答えは書きませんが、今年のNHK大河(八重の桜)では、この説が取り入れられるでしょうか。
ほかにも、最近は、「日本人の叡智」(新潮新書)、「無私の日本人」(文芸春秋)、「歴史の愉しみ方」(中公新書)と、骨太の日本人論と忍者ものという両極端なテイストで楽しませてくれています。(この3冊はいずれ続編で)
- 作者: 磯田道史
- 出版社/メーカー: 新潮社
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さよなら磯田道史!背番号55は永遠に不滅です!