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歴史ニュースウォーカー

歴史作家の恵美嘉樹が歴史のニュースや本の世界を歩く記録です

佐久間象山の借金の理由。幕末の「TPP」交渉に備えて?

 幕末の思想家・佐久間象山がオランダ辞典を作るために金策に奔走していたことを示す借金通帳などが、4月1日から丸善日本橋店で初公開されるそうです。産経新聞がきのう(2013年3月23日)紹介しています。

 象山が仕えていた信州松代藩に、幕府編さんの蘭和辞典「ハルマ辞書」に新語を取り入れて改訂しようと願い出たことは知られていた。実際に借金し、辞書が製作途中だったことを裏付ける史料の公開は初めて。

 借金通帳は、松代藩から「金千両」借用の約束を取り付け、1849(嘉永2)年から翌年までの間に17回に分け計451両を借りたことを記録した冊子。辞書の版木の一部分が作られていたことも記されている。

 松田清京都外大教授(洋学史)は「海の防衛のため、科学技術導入に必要なオランダ語普及を訴えた象山の開明性と熱情が感じられる」と話している。

 史料は古書を扱う名雲書店群馬県高崎市)が8年前に発見し所蔵していた。

 もともとは鎖国を主張しましたが、
 開国が必至となった以上は、積極的で前向きな開国を目指した人ですね。
 今ならTPP賛成派かな。
 
 これから再注目されていくかもしれませんね。


↑昨年、象山が主役のエンタメ小説がでていますね。キンドル版は350円安いです。

ほかにも
佐久間象山 (人物叢書)吉川弘文館のスタンダード)
佐久間象山―幕末の明星(童門さんなので読みやすい)
があります。


国史大辞典からの抜粋です。

(1811〜64年)
江戸時代後期の思想家。松代藩士。
18歳で家督を継ぎ、天保4年(1833)江戸に出て佐藤一斎に師事するが、朱子学を信ずる彼は、一斎が陽明学を奉ずるのに不満で、文章詩賦しか学ばぬと称していたという。

アヘン戦争の情報に衝撃を受けた象山は、老中で海防掛となった藩主真田幸貫より海外事情の研究を命じられたことも加わって、俄かに対外的危機に目覚め、以後海防の問題に専心する。

天保13年11月の藩主宛上書は、西洋列強と戦争になった場合勝目がないとして、オランダより船を購入すると同時に教師を招き、大船・大砲を充実すべきことなどを説いたもので、「海防八策」とよばれる

その九月に西洋砲術を学ぶため江川坦庵(太郎左衛門)に入門していたが、みずから原書を読む必要を痛感して、34歳の弘化元年(1844)黒川良安に就いてオランダ語を学び始めた。

ペリー来航とともに、西洋事情探索と国力充実の必要を一層強調したが、翌安政元年(1854)4月吉田松陰に密航を慫慂した廉で幕府に捕えられ、9月に松代で蟄居するよう命じられた。

彼の対外論は、初期の避戦論から積極的な貿易・海外進出論に発展したが、これは押しつけられた「開国」を、日本が世界を席捲する第一歩へ転じようとするものにほかならなかった。
象山全集〈巻1-5〉古本 (1934年)
がある。

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