歴史ニュースウォーカー

歴史作家の恵美嘉樹が歴史のニュースや本の世界を歩く記録です

江戸に落ちた巨大隕石の落下地点を特定しますた!

 1823年(文政6)の東京に隕石が落ちました。当時に車載カメラがあれば、かなりの動画がとれたでしょうね。

 こんな俗っぽい歴史ネタをあの磯田道史さんがほっとくわけありません。ロシアの隕石騒ぎをうけて、さっそく今週(2013年3月14日発売)の週刊文春連載「古文書ジャーナル」でアップされましたよ!

 江戸の町は隕石の直撃をうけたことがある。古文書の記録をもとに私磯田道史は、以前からその落下地点を気にしてきた。しかし、その正確な位置を割り出すことができず、そのままにしていた。

 なんと、なぞだった隕石落下地点を100メートルにまで絞り込んでいます。その経緯は、雑紙をよんでいただくとして、
 結論は

 現在でいえば新宿区早稲田町の銭湯大黒湯の周囲百メートルの範囲のどこかに落ちたとみてよい。

ここです↓

大きな地図で見る

 ところでこの隕石はどこへ行ったのだろうか。現在まで不明である。
 町医者がどこかへやってしまったのだろうか。
 しばしば隕石は落下地点近くの神社のご神体になっていたり寺に奉納されていたりする。
 庭石に化けている可能性もゼロではない。
 牛込・早稲田あたりで表面が黒く焼けたかんじの石をみたら要注意だ。

 ここまで書いて、いまさらながら、気づいた。隕石は高価なものは数億円以上で取引される。古文書学のスキルを駆使して落下地点を絞り込んだ以上、私はこの週刊文春なんかに書かず、こっそり自分一人で隕石を探し歩くべきであったのではないかと。

その隕石は、60×30センチくらいあったそうです。かなりでかい。これは高くうれる!磯田さんも書いたあとに気付いたようです。

落ちる石だけに、いいオチがつきました。

 先週の「古文書ジャーナル」の「ニセモノの骨董品の造り方」に続いて、磯田節全開でしたねぇ。→先週のネタについてはこのエントリーで紹介しました。

↓「武士の家計簿」はキンドル版もありますよ。新書より100円以上安いずばり600円。
まだ読んだことない人は絶対読んだほうがいいです。超面白い。