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歴史ニュースウォーカー

歴史作家の恵美嘉樹が歴史のニュースや本の世界を歩く記録です

太平洋戦争は避けられた?公開された外交文書は歴史の「もしも」が盛りだくさん

 今週の木曜日(2013年3月7日)に、第二次大戦関係の日本の外交文書が公開され、各紙で報道されています。この文書というのは、戦後にGHQが残した資料のようですね。
 きっと公開された資料は、すごく大量で、くわえてどれもこれも「へえ」が盛りだくさんなのでしょう。色々な切り口の話が出ていましたのでまとめてみました。(ちょっとずつエピソードを更新していきます。はてぶ「コメント」で「世界大戦が避けられたでなく「日米開戦が避けられたかも」だろうというごもっともな指摘を受けてタイトル変えました=2013年3月9日午後11時)

ルーズベルト天皇への親書を止めたのは?

 恵美嘉樹は開戦時の問題を聞くたびに、外務官僚にはらわたが煮えくり返る思いをします。

 日本は宣戦布告をアメリカに伝えていたのに、アメリカ駐在の外交官が「飲み会」だったので通達が遅れて、「不意打ち」になったというエピソードです。

 アメリカは情報網から独自に開戦を知っていたとも言われていますが、公式に通達したかしないかは、世論や大義に大きな影響を与えます。現に、世界のスタンダードは、当時の日本は不意打ちした卑怯な国、リメンバーパールハーバーです。

 で、今回の外交文書のニュースは、外務省ではなく、これは中央電信局という役所が半日以上さぼっていた(わざとかもしれないけど)のが原因のようです。これまたお役人の大失態、さらにココロは怒りで業火状態ですよ。

 1941年12月8日の日米開戦の直前、当時のルーズベルト米大統領から昭和天皇に送られた戦争回避を訴える親電(電報)の伝達が遅れた問題で、終戦直後に連合国軍総司令部(GHQ)が外務省に対し、「電報が天皇陛下に渡されたならば戦争は避けることができたに違いない」との見解を示していたことが、7日公開の外交文書から明らかになった。

 文書によると、GHQの見解は、国際検察局の担当官が46年8月1日、伝達遅れの経緯を調べるため外務省職員2人を尋問した際に示された。
 問題の親電は41年12月7日正午、東京の中央電信局に入電。しかし、米大使館のグルー大使に配達されたのは同日午後10時半だった。大使から東郷茂徳外相を経由し、昭和天皇に伝達された直後に、真珠湾奇襲が始まった。
(読売新聞)ソースURL: http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130307-OYT1T00772.htm

 

真珠湾奇襲の「トラトラトラ」以外の暗号

 「ヒガシノカゼ」が気象情報を装ってラジオ放送されると、アメリカとの関係がやばいという意味なのだそうです。
 いまも北朝鮮はヤバイ感じはしますが、万年ヤバイので、オオカミ少年のように慣れてしまって。
 でも、本当に戦争がはじまるときは、あの平壌放送のなかに、特殊な暗号が流されるんでしょうね。
 「白頭山のぼれ」でしょうか?
 それじゃあバレバレか。
 

 【円満亮太】日米や日英関係の緊迫を知らせる暗号「ヒガシノカゼ、アメ」や「ニシノカゼ、ハレ」――。1941年の真珠湾攻撃の際、気象情報を装った暗号を海外向けラジオで放送したと当時の日本の担当者が認めていたことが、7日に外務省が公開した外交文書で判明した。真珠湾奇襲を許した米側が、暗号発信の経緯を熱心に調べた様子もうかがえる。
 「ヒガシノカゼ」が日米関係が緊急事態に陥った際に放送される暗号だったことはこれまでも米側の資料などで示されているが、今回、戦後の米側の聴取に対し、日本当局者がこうした暗号を実際に放送したと認めた文書が公開された。
 真珠湾攻撃をめぐる暗号電文では、攻撃を命じた「ニイタカヤマノボレ」や、奇襲成功を示す「トラトラトラ」が知られているが、在外公館や海外居留民向けにもラジオ放送で暗号が流されていたことになる。

朝日新聞ソースURL: http://www.asahi.com/national/update/0307/TKY201303070077.html

敗戦国の悲しみよ。進駐軍に不敬されまくる皇室

 また朝日新聞の円満記者です。(名前覚えました笑)
 ただ、短期間にたくさんの記事を書きすぎたのか、円満さんのこの原稿は下手です。きっと、ここ何日か知りませんがこもって資料をめくっていたんでしょうね。

 「皇室への犯罪は8件、強姦(ごうかん)は未遂を含めれば44件、誘拐が7件、住宅侵入が18件あった。」とありますが、 米兵が皇室を強姦や誘拐までしていたのかと一瞬びっくりしましたよ。「、」と「。」をうまく使ってくださいませ。

 【円満亮太】ライフル銃を持った米兵が皇居の警備担当者から拳銃を奪取。東条英機元首相宅にも米兵が侵入――。米国主導の進駐軍上陸後、米兵による皇居などへの非行行為が頻発し、日本政府が連合国軍総司令部(GHQ)に改善を求めていたことが、7日に外務省が公開した外交文書で明らかになった。

 日本政府がGHQに提出した資料によれば、1945年8月末の進駐軍上陸から9月末までの約1カ月の間に、米兵が関係する殺人事件は5件。皇室への犯罪は8件、強姦(ごうかん)は未遂を含めれば44件、誘拐が7件、住宅侵入が18件あった。

 公開された文書には、皇室に関係する事件が多数記載。9月5日にはライフルを持った米兵が皇居の桜田門に立っていた日本人警備担当者を脅して拳銃を奪った。21日には鹿児島県で公民館に小型四輪駆動車で乗り付けた米兵4人が天皇の写真を射撃して逃げ去る事件が発生。このほか、一人乗りの米機が京都御所に強行着陸する騒ぎや、神奈川県の葉山御用邸竹田宮別邸に米兵が侵入を繰り返す事件もあった。
 朝日新聞 URL: http://www.asahi.com/national/update/0307/TKY201303070188.html

沖縄は中国のものでいいんじゃないと、アメリカ大統領

 こちらは、7日公表の日本の外交文書ではなく、遠藤誉さんという筑波大名誉教授がアメリカの公文書から、独自に見つけてきたもののようですね。
 アメリカが沖縄は中国(当時は中華民国=台湾)に占領してもいいんじゃないのと思っていたという内容です。

日経ビジネスURL: http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20130301/244389/?rt=nocnt

 最後は「尖閣諸島は日本だ。中国は自省せよ」という当然の結末を主張しておわるのですが、どうも読んでいると、「尖閣諸島どころか沖縄も中国だったかもしれないんだよ」みたいな空気が流れるのです。

 このお方の経歴をみると、(中国)国務院西部開発弁工室人材開発法規組人材開発顧問、中国社会科学院社会学研究所客員教授など「中国の代弁者」である可能性がありますので、「沖縄は中国のもの」という最近の流れの上でのステルス的戦略的に高度な記事であるかもしれないと思って読んだほうがいいかもしれません。

 前回お約束した通り、今回はアメリカ国務省にある公文書館に所蔵されていた「カイロ会談の議事録」をご紹介する。
 アメリカの公文書館のデータバンクで見つけた、スキャンされた資料の表紙を見て頂こう。
(略)
 推論だが、コミュニケを出すに当たり「沖縄の位置づけ」を再確認するために、カイロ密談において蒋介石ルーズベルトがどのような“口約束”をしたのかをアメリカ側が知りたかったのだろう。
 (略)

 蒋介石にとって重要だったのは、他の国を制覇することより、中国の覇者として自分が残ることだった、と解釈していいだろう。

 歴史には“IF”はないとしても、日本のいま現在にとって、このときの蒋介石の選択は大きい。蒋介石琉球群島(尖閣諸島を含む沖縄県)を「要りません」と言っただけでなく、「日本を占領するのも遠慮します」とアメリカに対して意思表示したということになる。

 蒋介石がこの時のルーズベルトの「プレゼント」に対して「ありがとうございます。それではそのようにさせて頂きます」と言ったとすれば、日本は「中華民国」に、あるいはその後政権を取った「中華人民共和国」に占領されていたことになる。

(略)

 ルーズベルト大統領は琉球群島に関して言及した。そして中国が琉球群島を欲しいか否かを一度以上聞いた。蒋介石は「中国は米中両国による共同占領に参加することに関しては賛同するが、但し、実際上は国際組織による信託統治の下で両国の共同管理に参加することには賛同する」と答えた。

 ありがとう蒋介石。ありがとう台湾。
 きょうWBCで勝ってしまってすみませんでした。