縄文時代の超小規模ピラミッド五月女萢(そとめやち)遺跡が保存へ大きな一歩【青森】
遺跡というのは、「跡」というだけあって、出っ張った部分はあまり残りません。
古墳のように巨大なものでも、土とりのために削られて、残っているのは古墳をかこむ堀のあとだけなんてのはザラです。
縄文時代になると、なおさら残らないですね。
普通は穴ぼこだけ。
ところが、この誰も読むことができない縄文時代後期から晩期の五月女萢(そとめやち)遺跡は、お墓の盛り上がった(蓋の)部分(マウンド)がそのまま残っていていました。ちょっとびっくりな考古学ニュースとして、マニアの心をくすぐりました。
とても貴重な遺構になるわけですが、民有地だったので、どうなることかとやきもきしていましたが、青森県五所川原市教委が、2013年1月9日に地権者から保存の了解をもらうことができました。
そとめやち遺跡でのマウンド発見のニュースについては過去記事「縄文の津軽人は、古代ギリシア人だった?!」をどうぞ。
同遺跡は民有地で、土砂採取計画が持ち上がったため発掘調査が行われてきたが、調査の結果、これまでに「土壙墓(どこうぼ)」と呼ばれる墓跡130基が発掘され、このうち19基は墓のフタの役割をする「マウンド」を伴っていた。
石を立てて墓標としているものや集石遺構など貴重な発掘が相次ぎ、同市と市教委に対して昨年12月、日本考古学協会、県考古学会が遺跡保存を求める要望をしていた。