歴史ニュースウォーカー

歴史作家の恵美嘉樹が歴史のニュースや本の世界を歩く記録です

許すまじ!樹齢500年の神社のご神木を薬で枯らして「銘木」として別の神社に販売する輩【四国】

NHKのスクープです。


NHKのサイトからは動画でニュースが見られます。

愛媛県東温市の神社にある樹齢500年のヒノキの「ご神木」2本が、根元に除草剤を注射されて、枯れてしまい、あす(2012年12月26日)に切り倒されることになってしまいました。

許し難い・・・・

四国では、最近、こうしたご神木が枯れる事件が相次いで、その後、「同じ林業業者」がたまたま枯れたことを聞きつけて、その木を購入し、別の神社の建築資材として販売しているとのことです。

テレビでは、この林業関係者にインタビューをしていて、「たまたま居酒屋で聞いた」といって、自分が除草剤を注入したことは否定していました。

が、果敢にも、NHKのキャスターが「ご神木を枯らすだけでなく、それをさらに別の神社にうる。二重の意味で罰当たりです」と、怒りのあまり、先走ったコメントをしていました。

まあ、だれもが「怪しい」と思うでしょうが、刑事法で「怪しきは罰せず」という原則があることも忘れてはいけません。

すでに警察が器物損壊容疑で捜査しているようなので、神罰の前に、きちんと人間の手で、犯人を見つけ、処断していただきたいものです。

なぜ、ご神体が貴重なのか、信仰の面からではなく、物理的に少ないことを歴史的によく分かるのが、下の本です。里山信仰に毒されている人はぜひご一読を。

森林飽和―国土の変貌を考える (NHKブックス No.1193)

森林飽和―国土の変貌を考える (NHKブックス No.1193)

とにかく、上の本もNHK出版ですが、NHKいい仕事しています。

「NHKの歴史・考古学についてのニュースは、非常にいい加減であることが、ままあります。」なんてエントリーも書いていますが、事件報道としてはとても信頼しております(汗)

それにしても、昨日(2012年12月25日)は岡山の重文のお寺が全焼したり、寺社仏閣へのイタイニュースが続いていますね。

【続報】はこちら