歴史ニュースウォーカー

歴史作家の恵美嘉樹が歴史のニュースや本の世界を歩く記録です

【日本版ポンペイ続報】また火砕流の火山灰から人骨が出た【群馬・金井東裏遺跡】


よろいを着たまま榛名山噴火の火砕流にのみ込まれた男の人骨が見つかった群馬県渋川市の金井東裏遺跡で、同じ時期(6世紀初め)の別の人骨が見つかったと、今日(2012年12月21日)県埋蔵文化財調査事業団が発表しました。

よろい男からは19メートル離れていました。

事業団は、よろい男について「噴火がおさまるように神に祈っている儀式中に火砕流にまきこまれた」説をあげています。

一方、
逃げる途中だった説も有力です。

儀式説は、頭が榛名山の方角を向いていたからで、逃げるなら背中を見せるだろうということです。

「武士は敵に背中を見せない!」
って、古墳時代は武人ですが、武士道はありません。

ただ、頭の方角についても、火砕流が迫っている状況ですからはたして、そもそも視界が開けていて「こっちの方角が噴火している」なんて理解できていたのかどうか。

それと溝の中だったということですから、うずくまっていたのかもしれませんね。

これまでよろい男の近くに乳児の骨が見つかっています。今回、また増えたことで、儀式にしろ、逃げるにしろ、集団でなにかをしていた可能性は高まりましたね。

これまでの「よろい男」主な記事

  • 財団公式HP

古墳時代の甲(よろい)着装人骨の出土について(金井東裏遺跡(渋川市))

大分合同新聞社
http://www.oita-press.co.jp/worldCulture/2012/12/2012122101001207.html

6世紀初頭に噴火した榛名山群馬県)の火山灰層から鉄製よろいを着けた成人男性の人骨が見つかった同県渋川市の金井東裏遺跡で、県埋蔵文化財調査事業団は21日、新たに別の人骨が出土したことを明らかにした。
 同事業団はよろいを着けた男性について「噴火した山の神の怒りを鎮める儀式中、火砕流に巻き込まれたのではないか」との見解を示していた。新たに出土したのは、儀式に立ち会っていた別人の骨の可能性があるとみて調査を続ける。