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歴史ニュースウォーカー

歴史作家の恵美嘉樹が歴史のニュースや本の世界を歩く記録です

6000年間の南海トラフ地震での津波痕跡が見つかる。巨大津波は15回、300〜500年間隔、前回の巨大津波は300年前なので次がヤバイ

震災・環境

高知大学の岡村眞特任教授の研究グループが、土佐市の池の底に積もった津波堆積物を分析したところ、過去6000年間に、巨大津波が15回、定期的に起きてきたことを明らかにしました。
南海地震はおよそ100年ごとに起きていますが、そのうち東日本大震災級の巨大津波になるのは、300〜500年に一度となります。
「なーんだ、300年か」と思う人はもはやいないと思いますが、南海で巨大津波が起きたのは300年前です。くしくもほぼ同時期に、東北でも巨大津波が襲来しています。

NHKのきょう(2012年12月21日)のニュースで報じられました。

岡村教授は、
「岡村土研」(高知大学理学部災害科学コース内の研究グループ)
というHPを作って、南海地震についての「WEB講義」をしていて、とても勉強になります。そこから一部引用していきます。

南海地震地震の研究者には世界的に有名な地震です。なぜならば南海地震は過去1000年間以上の活動の記録が歴史記録として残されているからです。

地震の活動間隔というのは海溝型地震でも数百年〜数十年程度であり、人類の歴史に繰り返し記録されたものはほとんどありません。比較的よく活動の繰り返しが知られている地震としては、カリフォルニアのサンアンドレアス断層地震、トルコの北アナトリア断層地震があげられます。しかし、サンアンドレアス断層では今から200年より古い時代では文字に残された記録はありません。また北アナトリア断層の場合も、古くはヒッタイトの時代から文明が栄えた地域ではありますが、戦乱などで記録が残っておらず、500年前くらいまでの履歴しか明らかにされていません。

南海地震は世界で最も長く歴史記録に残されてきた地震なのです。

今のところ昭和南海地震を含めて9回の南海地震が確認されています。1361年の地震以降はおおよそ百数十年に一回の割合ですが、それより前は二百年に一回の割合で地震が発生していることがわかります。これは地震の活動間隔が変わったと考えるよりも、古い記録がいくつか抜けていると考える方が無理がありません。


上の写真は、前回の昭和南海地震直後と現在の高知市の比較です。これをみると、高知市街地のほとんどが「水没」しています。ただし、これは津波ではなく、地盤沈下のためなのです。
昭和南海地震は、高知市の場合、津波の高さ1メートルほどだったそうです。
ですが、今後の想定津波は最大5メートルとも。
つまり、次ぎの地震では、地盤沈下によって海水面以下になった県庁所在地の大都市(戦争中よりもうんと人口が増えた)に、大きな津波が来る可能性があるわけです。

NHK

南海トラフ付近で発生し西日本各地に大きな被害を及ぼす巨大津波が、過去6000年の間に15回程度起きていたことが、高知大学の研究グループの調査で初めて分かり、研究グループは、津波を伴う巨大地震が古い時代から定期的に起きていたことが裏付けられたとしています。

高知大学の岡村眞特任教授らの研究グループは、巨大津波による堆積物が残っている高知県土佐市の海岸近くにある池で、底に積もった砂などを採取し、過去の津波の痕跡について詳しく分析しました。その結果、巨大津波によって運ばれたとみられる堆積物が、6000年前の地層にかけて15ほどの層に分かれて残されているのが見つかりました。
分析の結果、巨大津波は、江戸時代に起きたマグニチュード8.6クラスの地震とほぼ同じ規模のものが300年から500年ほどの間隔で起きたとみられるということです。
研究グループによりますと、南海トラフ付近で起きる巨大津波については、2000年から3000年ほど前までのデータしかなく、6000年前までさかのぼって具体的な回数が明らかになるのは初めてだということです。
岡村特任教授は、「より古い時代にさかのぼっても巨大地震が定期的に起きていたことが裏付けられた。江戸時代の巨大津波からすでに300年が
経過したことを考えると、次に南海トラフで起きる地震は巨大津波を伴う可能性が高いと考えられる」と話しています。