第十回徳川賞決定
近世=江戸時代研究に贈られる第10回徳川賞が決まりました。
元長岡工業高専教授の梅木哲人さん『近世琉球国の構造』(第一書房発行、9450円)
- 作者: 梅木哲人
- 出版社/メーカー: 第一書房
- 発売日: 2011/12
- メディア: 単行本
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梅木さんおめでとうございます。
出版社の書誌から
本州を中心にした地域で沖縄琉球を異域・異国あるいは附庸と思っていた間に、南島では独自の時間が経過し、国家形成が行われ、その後活発な対外活動を行うようになり、国家の繁栄を築きあげてきていた。しかし東アジア世界の変動の一角で二つの歴史が交わったことで、沖縄琉球は新しい時代に入った。近世沖縄琉球の時代である。<主な内容目次>
? 政治構造
第一 士族社会の構成
はじめに
一 家部と家統
二 地頭制・知行制・役知制・扶持制
三 遣使と家部
四 政府財政の概要
おわりに
第二 地頭制の構造―総地頭・脇地頭・夫地頭―
はじめに
一 大やくもいと地頭
二 間切と地頭
三 夫地頭・おゑか人
四 地頭作得
五 地頭制と知行制
おわりに
第三 評定書の機構と評定書文書
はじめに
一 評定書機構と文書作成
二 「各月日記」と評定書
三 「廻文」の伝達
四 「帳当座日記」と御物奉行
? 基礎構造
第一 土地制度と農民―「地割制」の問題性―
はじめに
一 「地割制」の近世的特徴
二 「地割制」と「地人」の関係
おわりに
第二 石高制の構造―納米・出米および財政―
はじめに
一 薩摩藩の石高と納米・出米
二 琉球国知行高目録
三 琉球国における納米・出米と地頭作得
四 琉球国財政の石高構成
おわりに
第三 久米島の規模帳・公事帳―沖縄における近世文書―
はじめに
一 「久米具志川間切規模帳」(道光十一年)
二 「公義帳」(雍正十三年)と「久米仲里間切公事帳」(雍正十三年)の同一性
三 雍正十三年の公事帳と道光十一年の公事帳の関係
四 「久米仲里間切諸村公事帳」(道光十一年)
五 沖縄における規模帳・公事帳の分布と残存
六 公事帳の成立
七 規模帳・公事帳の史料的性格
おわりに
第四 八重山の近世文書と士族社会
はじめに
一 八重山における近世文書の存在形態
二 八重山における士族と行政機構
おわりに
第五 太平布・上布生産の展開について
はじめに
一 十六世紀後半の琉球における布の生産の発展
二 中世末から近世初期の日本の苧布の生産状況
三 近世八重山における苧布の生産
おわりに
? 幕藩体制と琉球国
第一 琉球国の起請文
はじめに
一 国王および摂政・三司官の起請文
二 起請文の作成と保管
三 琉球国と起請文
四 幕藩体制と起請文
第二 琉球使節と国王書翰―「幕藩制のなかの異国」の構造―
はじめに
一 国王の即位と使節
二 幕府への国王書翰
三 正徳期の書翰問題
四 正徳期書翰問題の前提―朝鮮国王書翰と殊号問題―
五 琉球使節と冊封
? 東アジア国際社会と琉球国
第一 明代の琉球・中国関係
はじめに
一 明代中国の対外政策と市舶司制度
二 琉球国の朝貢と冊封
三 明代における琉球国の貿易活動
おわりに
第二 薩摩藩進入直後の琉球・中国関係
はじめに
一 馬良弼(名護親方良豊)の中国遣使と「三事」の要求
二 島津家史料『琉球国中山王條疏』について
史料 『琉球国中山王條疏』
第三 「薩摩藩の琉球貿易」の成立と銀の問題
はじめに
一 進入後の進貢の回復と清代福州柔遠駅貿易の実現過程
二 「薩摩藩の琉球貿易」の成立と銀の問題
第四 琉球貿易における日本銀―薩州御渡銀と銀座―
はじめに―日本銀についての認識―
一 近世日本における通用銀の成立と吹替
二 薩摩藩・琉球国の中国貿易と日本銀
三 薩州御渡銀と銀座
おわりに
附論 戦後の近世沖縄琉球史の研究史覚書
ほかの最終候補は以下の2冊でした。
『江戸幕府上方支配機構の研究』
著者: 小倉 宗
発行: 塙書房
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- 発売日: 2011/11
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『近世身分社会の仲間構造』
著者: 藤本清二郎
発行: 部落問題研究所
- 作者: 藤本清二郎
- 出版社/メーカー: 部落問題研究所
- 発売日: 2011/10
- メディア: 単行本
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