歴史ニュースウォーカー

歴史作家の恵美嘉樹が歴史のニュースや本の世界を歩く記録です

秋篠宮さま悠仁さまが訪れた神武天皇陵はお墓でない?

秋篠宮ご夫妻と長男の悠仁様が奈良を旅行されているそうです。
7、8日と奈良の有名な神社(および陵墓)を参拝されています。
報道によりますと
7日は、橿原市神武天皇陵 

8日は、奈良市春日大社
を訪れたそうです。
神武天皇陵は、正式には、畝傍山東北陵(うねびやまのうしとらのすみのみささぎ)といい、橿原神宮の近く(もしかして境内?)にあります。橿原神宮の神様は、神武天皇です。
神武天皇はいわずとしれた初代の天皇で、九州から大和へ東征した建国の父です。が、歴史・考古学の世界では、「神話の人」であって、実在しないことというのが定説です。

最新 日本古代史の謎

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真の初代は、十代の崇神天皇とみられているのですが、神武と崇神は行動がよく似ており、崇神の伝記から一部を抜き出し神武像を作ったというのです。恵美嘉樹もそれが妥当と思います。

では、神武天皇陵とはなんなの?橿原神宮はなんなの?と疑問が出てきます。

答えは、両方とも最近作られたものというのが答えです。これは説ではなく、史実です(最近の話なので)。

神武天皇陵は、畝傍山の北にあると古事記に書かれていますが、正確な場所は不明。中世以降は仮も含めてまったく所在しなかったのですが、江戸時代になって勤王思想が広まるにつれて、初代天皇の陵墓の探索が始まります。そうして、二つの高まり(古墳ではないのです)が候補地になって、幕末に、一つを第二代綏靖天皇、もう一つを神武天皇に決めたというのが真相です。発掘調査などによるものではありません。発掘したら「自然地形」なので、すぐにわかりますが、もちろん宮内庁は学術調査などさせてくれません。ですから、ここは遺跡ではなく、「旧跡」(伝承地)です。

橿原神宮については、明治23年に新説された、明治神宮などと同様に非常に新しい神社です。
新しくてもこの神社の雰囲気はとても荘厳で、畝傍山を借景にした境内はとても気持ちいい場所で、おすすめです。

photo:kashihara jingu - shrine exterior by Molly Des Jardin

8日に訪れた春日大社は、藤原氏氏神さまです。
初日には天皇の祖、そして二日目には、臣下第一かつ天皇家にもっとも色濃く血をのこす藤原氏の祖先神を参られる。秋篠宮さまの教育というのはさすがしっかりしていらっしゃるなあと、恵美はあらためて感心しました。

これからも健やかに成長されることを心からお祈りします。

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