読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

歴史ニュースウォーカー

歴史作家の恵美嘉樹が歴史のニュースや本の世界を歩く記録です

(映画の動画あり)のぼうの城で「でくの坊」は石田三成だった説のウソ

戦国時代

豊臣秀吉の小田原攻めは、圧倒的な物量の差があり、「必勝」の戦いでした。なにしろ、当時最強の秀吉と家康が組んでしまったのですから、関東の一角を占める北条氏はなすすべもありません。

そんな中で、唯一善戦したのが、「のぼうの城」で有名な埼玉県行田市忍城(おしじょう)。
11月2日からは「のぼうの城」の映画がロードショーだとか。

城を守るのは、成田長親の500。対する秀吉軍は、石田三成ら2万。
しかも成田は「のぼう」(でくの坊)というあだ名を持つ男。城は風前のともしび・・・しかし・・・

という内容です。

実際、忍城は、三成の水攻めを受けながら、小田原落城後も最後まで残った北条方の城であることは事実です。

この戦いのために、三成は「戦下手」のレッテルを江戸時代になって張られるのです。

ところが、実態はちょっと違うのです。

江戸時代は、関ヶ原後なので三成のことをおとしめるのがデフォルトです。

しかし、戦国時代の同時代の史料をみると、三成は秀吉の命令で、わざと落城させなかったことが浮かんでくるのです。先走って城内に攻め込んだ「KY」な武将が、褒められると思って武功を秀吉に報告したら、逆に「力攻めするなと命令していただろう!」と怒られているのです。

秀吉にとって小田原攻めは、「合戦」というより勝ちの決まった天下統一のための「パフォーマンス」でした。
秀吉が戦の天才として名高いのが、毛利との戦い(本能寺の変の直前)での高松城水攻めです。

秀吉は、小田原攻めのフィナーレに、この伝説の水攻めを再現しようとしたのです。けっして、三成が功を焦ってムリな水攻めを敢行したわけではなかったのです。

これが史実です。ただ、原作者の和田竜さんは、ちゃんと史料を読み込んでいたそうですから、それを分かった上で、すてきな物語を作り上げたのです。さすがですね。

のぼうの城 上 (小学館文庫)

のぼうの城 上 (小学館文庫)

のぼうの城 下 (小学館文庫)

のぼうの城 下 (小学館文庫)

戦国時代の草食系男子? 「木偶の坊」と揶揄された武将・成田長親
WEB本の雑誌 10月30日(火)12時0分配信
のぼうの城 上 (小学館文庫)』和田 竜 小学館

 ゲーム、コミック、ドラマなどますます戦国ブームに拍車がかかる近年。本書は今までの強いイメージがある戦国武将とはまったく異なるテイストの「ダメな」武将を主人公とした小説です。第139回直木賞にノミネートされ発行部数40万部を越えるベストセラーを記録し、11月2日には映画が公開予定。主人公の成田長親(なりたながちか)役を演じるのは「陰陽師」以来の主演となる野村萬斎さん。そのダメっぷりを存分に発揮した演技にも注目です。

時代は、豊臣秀吉が天下をおさめる激動の戦国時代。そんな中、「のぼう様」と呼ばれる武将がいました。ただでかいだけで何をするにも役に立たない"木偶の坊"からつけられ、部下や領民たちまでもがその名を呼び揶揄していました。政治や争いごとに一切興味を示さず、好きな百姓仕事に日々従事します。しかし、その不器用さゆえに手伝わせると農作物を駄目にしてしまい、民からは煙たがれる存在でありました。そんな役に立たない「のぼう様」が城代である父・泰季の代わりに石田三成率いる秀吉軍から城を守るために立ち上がることになるのです。

主人公の長親のその出で立ちは現代で言う「草食系男子」。しかし、馬鹿にされてもいっさい気にすることもなく、戦国武将らしからぬその不器用さとのんびりした性格で領民や仲間から心配される姿がなんとも愛らしく感じられます。

脚本家でもある作者の和田竜により歴史的事実を文献と想像力で細かい描写も忠実に再現し、さらには実際にいた登場人物も個性豊かに描かれています。これといった能力を持たない長親が絶体絶命に置かれた城を一体どう守って行くのか。まるでフィクションのように最後まで展開が読めないストーリーは見物です。

下のボタンをクリックお願いします!励みになります。

にほんブログ村 歴史ブログへ