ちょんまげは天武天皇が命令した
- 作者: 増田美子
- 出版社/メーカー: 吉川弘文館
- 発売日: 2010/01
- メディア: 単行本
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日本の衣服の歴史をひもといてみると、4期の画期があるという。
1期は、天武天皇から奈良時代
2期は、平安前期から中期
3期は、平安末から鎌倉
4期は、江戸末から明治
いうまでもなく、4期目に大きな影響を与えたのは欧風化。
和装から洋装など、衣服に限らずそれまでの風俗がつぎつぎと変わっていた。
面白いのは、1期にあたる天武天皇が682年に命令した風俗改革以来、男性のちょんまげはずーーっと明治まで続いたというのである。ちょんまげは伝統ある髪型だったのだ。
ただし、日本古来のものかといえば、そうではなかった。
ちょんまげは、中国(唐)からのまねだったという。
しかし、天武天皇が「今日からちょんまげだ」と命令し、男性は従ったものの、女性にはひどく評判が悪かった。実際、その2年後には、女性のちょんまげをしなくてもよいとする法律が出されている。結局、705年、女性もちょんまげが実施されたという。
女性は、昔っからおしゃれにこだわりがあったのでしょうか。
大宝令や養老令をみても、女性は男性と対等に礼服や朝服を着て儀式に参加していた。また、男性と同じく馬に乗って疾駆さえもしていたのである。(増田美子「服飾からみた日本女性」『本郷』85、2010年1月)
髪型一つとっても、男性らしさ、女性らしさというのは時代によって違ったのですね。