歴史ニュースウォーカー

歴史作家の恵美嘉樹が歴史のニュースや本の世界を歩く記録です

面倒くさがりな歴史好きに喝?!

 レバレッジシリーズの本田直之氏の最新作、『面倒くさがりやのあなたがうまくいく55の法則』(大和書房、1050円)[2009002]を読みました。
 

面倒くさがりやのあなたがうまくいく55の法則

面倒くさがりやのあなたがうまくいく55の法則

 けっこうこのシリーズのファンです。

 本書で一番心を動かされたのが、66ページの「根拠を探す」。

 1、脳科学2、スポーツ、3、投資、4、経営の4つを仕事や人生のものさし(根拠)とするという趣旨の項目に、

ほんの10〜20年前までは「歴史」を頼りにした方々が多かったと思います。略
歴史に学ぶ風潮が、かつてほど流行らなくなった理由は、組織の規模や形態が変化したことが大きいと思います。

歴史は頼りにならん!と言われて、かなり「ぴくり」としたのですがw、必要とされている組織論が代わったという指摘はなるほどとうなずかざるをえません。

そうすると、何万の大軍を動かす戦国武将より、10人単位を動かす野球やサッカーのマネジメントのほうが役立つわけです。

戦国武将=大企業向けマネージメント
スポーツ=チーム単位のマネージメント

ということだそうです。

歴史に学ぶのが悪いとはいいませんが、役に立つのは圧倒的に「脳科学」「スポーツ」「投資」「経営」です。

こう言い切られると歴史大好きな私としては、かなり感情を抑えないといけませんでしたがw、歴史本の執筆にも大きなチャンスを
与えてくれると感じました。

つまり、十万の軍を動かす人だけが歴史上存在したわけではむろんないので、もっと小さなレベルのマネジメントの実例を掘り起こすことで、最近のニーズにあった新しい歴史本の切り口が見つかるかもしれないわけです。

たとえば、戦争ではなく、プレーヤーが数人しかいない政争について、マネジメント的な視点から探るなどあるかもしれません。

聖徳太子が説く上司(推古天皇になるのかな?)との渡りあい方」とか?

 ほかに本の執筆に役立つ情報として、

 わたしの場合、新しい本を出版することになったときには、徹底的に先読みをしてきます。どういったテーマで、どんな読者層に向けて出版するのか。そこに必要な資料はなにか。また、担当の編集者とはどれくらいの頻度で打ち合わせをし、どれくらいのスケジュールで執筆するのか。そして出版に際してはどのようなプロモーションをかけていくのか。
 出版の数ヶ月前から数ヶ月後まで、自分のやるべきことについて見通しを立ててから、動き出すようにしているのです。
 一見、面倒くさいことのように思えますが、こうやって先読みをしておくと、ゴールまでの最短距離が見えるようになります。
P132

 そのほかやってみようと思ったことは、

 やる気がでないときほど動いてみる。P27

 無意識化や習慣化などによって、全力を出さずに一定の成果が出せるようにする。
 そうした仕組みをつくることには、どれだけの労力を注いでもかまいません。P59

 毎朝五分、その日の予定を考える時間をつくりましょう。寝る前に次の日の予定を考えるのではありません。P74

 付き合い酒の誘いをうまく断るには、普段から愚痴をこぼさないことです。P149

あたりですかね。