奈良の大仏はタイの黄金仏だった
美容院の雑誌で見て、即買いに行きました。
- 作者: 小林泰三
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2008/10/17
- メディア: 新書
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最初の方を読んだだけですが、歴史へのアプローチには二つあるのではと思いました。
一つは、恵美もそうですが、歴史書や遺跡・神社などから歴史の謎に近づこうというもの。
もう一つは本書にあるように、美術的な造形美などを入り口に、当時の人々の感性や思いに近づこうというもの。
仏像を守る四天王を「ヒーロー戦隊」などと言ってしまう軽いところは、1966年生まれと、世代が近いだけに、わたしは結構共感しましたし、分かりやすい比喩だと思います。
が、美術品を持っているお堅い人たちが眉をひそめて、著者の小林泰三氏にデジタル復元を依頼することを拒否する、なんてならないことを願っています。
こんな「メタボリック四天王」を大仏殿に配して、人々を魅了することができただろうか。そんなことを思いながら、立体スキャナーで像のデータを取り込む作業に入る。
私は政治ジャーナリストの上杉隆さんの週刊誌での記事など好きなのですが、雑誌や書籍での文体と、氏のブログ「東京脱力新聞」とはまったく書きぶりが違います。ブログは非常に軽くて、最初みたときは「こんな人なの」と驚きました。が、この人も我らと同世代。
元来、堅い世界である歴史や美術について表現するとき、それを活字にするとき、どうしたらいいのか、という本書のテーマとは関係のないところで思考するきっかけにもなりました。
さて、本題に戻って、復元された奈良の大仏ですが、カラーとはいえ、新書サイズの紙面しかないので、迫力がいまいちですが、それでも驚くべき極彩色の世界です。タイのお寺みたいです。
いえ、当時の状況を理屈で考えても極彩色になるのは当たり前ですが、現在のひなびた様子印象が強いので、やはりこういう形で復元してもらうというのは、言葉を並べるよりもインパクトが強いですね。